一匹狼の回顧録

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書評『究極の男磨き道 ナンパ』零時レイ

昨日の本と順序が逆になったが今日はこちらを読了。

 

究極の男磨き道 ナンパ
★★★★☆

究極の男磨き道 ナンパ

 

本書は2014年に発売されたナンパ塾「スパルタ部」の代表である、零時レイ氏のデビュー作。

ちなみに、2作目は昨日ご紹介した『ナンパが最強のソリューションである』だ。

関連記事:書評『ナンパが最強のソリューションである』零時レイ

 

28歳〜33歳までひきこもっていて、マックの店員にお礼も言えないレベルだった著者が、たまたまナンパの世界に出会い、先輩のナンパ師に揉まれながら一流のナンパ師に成長していくまでのストーリーを描いている。

一番最初にナンパの練習をする際のオープナーに、僕がたまに使う引越し話法(「思い切って声をかけた」「最近引っ越してきたが友達になってくれないか」)が使われていた(笑)。まあ、福山雅治も使っていた話法ですからね。

文中にナンパテクニックが明示されているわけではないため、文中に散りばめられているエッセンスを自分で学び取っていく必要があり、ある意味日本版『ザ・ゲーム』と言えないこともない。

ザ・ゲーム フェニックスシリーズ

 

個人的には、ナンパのテクニックを学ぶというよりは、ナンパを通じていかに自己を高めていくかということにフォーカスされており、ナンパに自己啓発性を見出しているあたりが面白いし共感できる。

 

ナンパをする際の心構えについていくつか参考になる点を引用しておく。

 

たとえキツい思いをしたとしても、死ぬことはありません。戦争に行き、敵に突っこんで玉砕するわけではないのです。平和すぎる国で、味方の女に男が話しかけるという、本来、普通すぎる行為をする。それだけのことです。

ナンパに出撃する前に毎日思い出したい言葉。

 

毎日、こつこつ積み上げるようにして着実に前進していく人と、しょっちゅう地蔵して後ずさりばかりしてしまう人では、とんでもない差ができてしまうわけです。半年、1年経過すれば、恐ろしいほどの差がつき、まったく別の人生を歩むこととなります。前者はナンパで手に入れたセルフマネジメント力をフルに活かし、死ぬほど充実した人生を歩むでしょう。後者は弱さに引きずられ、自分をコントロールする能力を失い、ただただ時間と労力を浪費して何も達成できない、中途半端な人生を送ることとなるのです。

なんだかんだ言い訳をして地蔵し時間を浪費している時に思い出したい言葉。

 

ナンパーズハイに入ると、ふっと身体が軽くなり、一時的に恐怖心から自由になれます。アドレナリンやらドーパミンやらがどばどばと出て、恐怖どころか楽しくてたまらなくなります。そして声かけした瞬間に楽しさが女子に伝播し、いい反応をもらいやすくなるので、ますます楽しくなるっていう好循環に入れます。この状態こそ、がっつり声かけ数を稼ぎ、一挙にトレーニングを積んで、大躍進してしまえるチャンスなのです。

少し声かけのペースが出てきたところで、今日のノルマ(たとえば10人)が終わったと言って帰ってしまいそうな時に思い出したい言葉。 

 

中途半端にナンパマニュアル化している続編より、本書の方が読み物としてよほど楽しく読める。続編はナンパ師(ナンパ講師)としてある程度成功を収めた後に出版されたもので、やや上から目線であることも気になるが、この本は等身大の作者が描かれていて、好感が持てる。

作者ほどの苦境ではなかったものの、20代前半の非モテの極みから努力の末に脱出したワタクシにとっては涙なしでは読めない本である。

初のコンビでの即・学生を牛丼に連れ出して大失敗するシーンなど、段々と成長していく著者に自分を重ねてしまうのだ。

 

おしまい