一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

書評『新・独学術』侍留啓介

アマゾンでレコメンドが出たのでポチった本。近頃アマゾンのレコメンドの精度はなかなか高いので、必ず目を通すようにしている。

 

新・独学術

★★★★☆

新・独学術――外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法

 

本書は、MBAホルダーやコンサルティング会社出身の人材が、さまざまな業界でパフォーマンスを発揮できる理由について書いた本。一言でいえば、その秘密は「賢さ」にあり、「賢さ」とは、「知識量」と「論理力」であると著者は言う。ゆえに、主に「知識」と「論理」の身につけ方について展開される。

なお、著者の侍留啓介氏を私は知らなかったが、氏は三菱商事に約7年間勤めた後、シカゴ大学MBA経営学修士)を取得し、その後コンサルタントとしてマッキンゼーに勤務。現在は外資系投資会社で働くかたわら、京都大学博士課程でファイナンス理論の研究をしているという経歴の方。まあ、経歴を見るに本書もいわゆる「マッキンゼー本」ですね。

ビジネスパーソンとしてパフォーマンスを上げるために知識量を増やし、論理力を磨く方法として、この本では、MBAコンサルティング会社に所属しなくても、「大学受験用の教材」で効率よく身につけられるとする主張が非常に異色で面白い。多分この点が最近読んだ本に似ており、アマゾンのレコメンドで引っ張られてきたんでしょうね。

 

<目次>
はじめに ── ビジネスに必要な知的能力を高める
第1章 高いレベルで働くための「独学の技法」 ビジネスに特化した「知識と論理」の磨き方
第2章 最重要の「教養」を効率的に取り込む 政治、経済、哲学……「使える知識」を鷲づかみにする
第3章 最強の知的武器「論理力」を鍛える 頭の回転は「現代文」と「小論文」で最速化する
第4章 必要な「英語力」を最速で手に入れる ビジネスパーソンのための「非常識な英語学習法」
第5章 独学の効果を「最大化」する 知的好循環が続く「現実的」な方法
おわりに
謝辞
付録■ビジネスパーソンに本当に効く本

 

第1章は総論的な話で、ビジネスにおける「知識」と「論理」の重要性を説いたうえで、参考書を用いた大学受験のやり直し学習を勧める。第2~4章はそれぞれ「知識(教養)」「論理」「英語」の習得方法について、第5章は社会人が勉強を続けるための方法や、賢く見せるためのテクニックなどについて書かれている。

 

以下、参考になった部分を引用しておく。

 

まず、大学受験参考書のメリットについて。

①知識を効率的かつ網羅的に学習できる
②問題を解くことによって、正しい答えを導くスキルを身につけられる
③質が高いのに、費用が安くすむ

 

高校社会科ではほとんど注目されない「倫理」の知られざる注目ポイント。

難しい古典も整理された形で紹介されているので、その意味で倫理の参考書は最良のブックガイド。

 

小論文を勉強することで得られる意外な効果。

小論文の模範解答は優れた文章の宝庫です。
ですから、忙しいビジネスパーソンにはまずは書くことよりも、模範解答を読み込むことをおすすめします。
小論文のテーマは、実社会において最も意見がわかれているトピックが多いです。そのため、議論のエッセンスである小論文の解答を覚えておくだけでも、議論に強くなれます。

 

途中の「論理」の部分は元マッキンゼーらしく具体例がなかなか豊富なのだが、具体と抽象の往復みたいな話は以前ご紹介した『賢さをつくる』がわかりやすくてオススメ。

賢さをつくる 頭はよくなる。よくなりたければ。

 

この本でも受験参考書に加えてスタディサプリがオススメされていたので、ついに登録してしまったよ・・今ならキャンペーン中で1ヶ月無料だったこともあり。スキマ時間の学習に良さそうなんですが、またサブスク課金が増えてしまいました。

 

おしまい