一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

サラリーマンが経費を確定申告できるケース

「経費」と聞くと個人事業主や法人オーナーの特権というイメージがあるが、われわれのような給与所得者(サラリーマン)であっても経費を控除して税金の還付を受けることができる「特定支出控除」という制度をご存知だろうか。

改めて今勉強しているFP1級のテキストに掲載されていたので、整理をしてみようと思う。

 

特定支出控除とは

特定支出控除とは、簡単にいうと会社の業務に必要だが、費用は会社が負担してくれずサラリーマン自らが自己負担した経費について、収入から控除できるようにした制度である。特定支出控除の適用を受けるには、自分で確定申告する必要がある。

 

適用を受けられる範囲

特定支出と認められる範囲は以下の8つである。以外と皆さんも自腹で出しているものもあるのではないだろうか?

 

1.通勤にかかる費用
通勤にかかる経費を個人で支払っている場合、もしくは会社から支給される通勤費を超える場合は特定支出に計上可能。

2.引越し費用
転勤の際に、引越しにかかわる費用で個人が支払った分は特定支出にできる。転勤ありの総合職であれば、会社から支給される場合がほとんどと思われる。

3.単身赴任者の帰宅にかかる費用
単身赴任している人が家族の住む家に帰る場合の費用も特定支出になる。

4.研修にかかる費用
業務で使うスキル・技術を習得する際の研修費用は特定支出となる。これも、会社が負担するケースが多いだろうが、個人で研修費を支払う場合には特定支出に計上可能。

5.資格を得るためにかかる費用
業務に必要な資格を得るための費用も特定支出となる。弁護士・医師・公認会計士など一定の資格に限られるようだ。私のFPの取得費用は費用にできるのだろうか・・? 無理だろうな(涙)

6.業務に関する図書の購入費用
最近の法改正で追加。職務関連の本や雑誌、新聞などは特定支出に計上可能。

7.業務に関する衣類の購入費用
最近の法改正で追加。これにより、たとえばスーツも特定支出にできるようになった。多くの人に関係のある項目と言えるだろう。

8.業務に関する交際費用
最近の法改正で追加。これで、自腹の接待費や取引先への贈答品代が含まれるようになった。取引先との二次会とかちょっとお茶しましょうみたいな時、会社の経費で落とせないことも多く、個人的にはこれの積み重ねが大きいイメージ。

 

適用を受けるための条件

特定支出控除は、以上8つの特定支出が給与所得控除額の半分を超える場合が対象となる。給与所得控除は以下のとおり。

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出典:国税庁HP

 

計算例がわかりやすい年収850万超の人であれば、給与所得控除額の半分、すなわち97.5万超であれば適用できるのだ。

 

ここまでなら場合によっては利用できそうな気がするのだが、特定支出控除を受けるために提出が必要な書類があり、源泉徴収票・領収書に加え、会社による証明が必要になるのだと。

これだと、「こんなに高いスーツは仕事にふさわしくない」とか、「自腹で接待したものを経費で落とそうとするな(=経費の範囲内で接待するか黙って自腹で接待しろ)」とか、私の勤務先だと間違いなくごちゃごちゃ圧力をかけてきて、結局制度が利用できない気がしますね。

せっかく良い制度なんだから、もっと使いやすくすればいいのに、国の方も乱用されないように必死ということなんですかね。

 

おしまい