一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

書評『ポジティブの教科書』武田双雲

今日は先週末読んだ本を紹介。

 

ポジティブの教科書

★★★★★

ポジティブの教科書

 

最近身近な人間関係が好転してきている。おそらく、その理由は過酷で孤独なFP1級試験が終わったことで精神的に余裕ができ、ポジティブな態度で周囲に接することができているからだと思う。当然、ネガティブな人間よりポジティブな人間の方が老若男女からウケがよい。

だが、この「ポジティブ」という言葉は非常に曖昧なワードである。だからこそ、今後も前向きな態度・姿勢をキープし続けるため、言語化して自分の中にインプットしておきたいと思い購入した。

 

この手のポジティブ心理学的なジャンルについては、類書は多くあるが、本書はその中でも入門的な立ち位置のようだ。ありきたり内容だが外さない感じの、アパレルで言えばユニクロ的な。

また、重要なのが、本書の取り上げるテーマは宗教・スピリチュアルのような分野とも相性がよい内容であるが、冒頭でそれを完全否定しており、実際怪しげな記載はほとんどない。「感謝」「人間関係」など11からなる章から合計95個のポジティブになるコツが、著者のエピソードとともに掲載されている。

 

せっかくなので、気に入った内容をいくつか抜粋してみる。

 

●小さなことに感動する

「日本に生まれた時点で、僕らは既に勝ち組なんだ」という記述が出てくる。

世界の大半の国から見れば、現代の日本は驚くほど便利で恵まれている。実際、北朝鮮やロシア・ウクライナの現状を見れば簡単に実感できると思う。

思い通りにならないことにばかりに目を向けず、既にあるものを数え感謝することで心を落ち着かせよう。

 

●上機嫌は健康の秘訣

健康で居続けるために必要なこと、それは適度な運動やバランスのとれた食事もそうだが、忘れてはいけないのが「上機嫌」でいること。一日に上機嫌でいる比率をどれだけ上げるかを意識してみよう。

上機嫌の時は、心にゆとりがあり、笑いに敏感になり、よいことを引き寄せる。そして、よい循環が続く。

 

●「与える」人になるために

与える人になりたい! と思った時にやっかいなのが見返りを求めてしまうこと。

その対処法は、自分をコップに置き換えて、自分の水を常に溢れている状態に保つこと。コップの水が少ない時に他人に与え続けるとキツい。溢れている時に溢れた分だけ人に与えるのならば、見返りはいらないという話。たしかに。

 

著者の武田双雲さんは、NTTのサラリーマンから書道家に転身された変わったキャリアの方だが、高額セミナーや情報商材がバックエンドにないので、それだけで安心できる(笑)。一応オンラインサロンはやっているようだが、月額4900円とのことなので、良心的な値段と言えるだろう。どうしても、この辺りで金儲け主義の著者なのかどうかは個人的にとても気になるところではある。

底抜けにポジティブ・前向きな思考の著者の考え方が学べるのだが、現在落ち込んでいたり・悩みが深い人にはちょっと共感できないところもあるかも。私のように既にポジティブな人が、うんうんとうなずきながら読むには非常に良いのだろうが。だからと言ってそういう弱った人間が宗教・スピリチュアル系に大金をむしり取られてほしくないので、まずは本書を読んでもらいたいと思う。

 

おしまい