本日は以前も紹介したビジネス英会話本の改訂版をご紹介。
改訂版 英会話ペラペラビジネス100
★★★★★
2002年初版発行のビジネス英会話本のベスト&ロングセラーの改訂版。いろいろと書店の店頭で手に取ってビジネス英会話本を読み比べてみたが、独学でビジネス英会話を学びたい人向けのテキストの中ではこれが一番だと思う。
著者のスティーブ・ソレイシィ氏は、来日して30年以上経つ英語教育のプロで、日本のビジネス英会話界隈を熟知している。本書で習得を目指すのは世界で通用する「本物の英会話」であり、冒頭部分で実用性の低い日本のビジネス英語教材を徹底的にこき下ろしている。
本書の特徴は大きく2つあり、1つ目はとにかくシンプルな表現が厳選されているところである。著者曰く、本当のビジネス・コミュニケーションでは、小難しい言葉や複雑な長い文は不要なのだと。実際、高校レベルの語彙力・文法力で十分読み進められるので、挫折するリスクが非常に低い教材と言える。
特徴の2つ目は、「日→英」の変換のトレーニングに長けているところである。何回か会社主催のビジネス英会話の研修に参加したことがあるが、結局のところ英会話力の肝は自分の考えていることを即興で日本語から英語に変換するスキルであり、リーディング重視の環境で教育を受けてきた僕世代の人間はこれが苦手な人が非常に多い。
その点、英語が黒字・日本語が赤字になっている書籍が多い中、本書は日本語が黒字・英文が赤字で印刷されており、付属の赤シートで隠せるので、日本語から英語に変換する練習が楽にできる。また、定着度を高めるため、一度学習したフレーズが、別のユニットの例文にも何度も登場するよう設計されている。
旧版からの改訂点をまとめると、以下のとおり。
・音声がCDからMP3(ダウンロード)になった。
・「EXPAND」(トレーニングコーナー)の例文の一部が差し替えられた。例えば、旧版ではFAXが登場していたがWi-Fiに置き換えられている。
・最後に「Bonus Track」が追加された。100のフレーズを著者のひとこと解説を交えつつ一気に復習できるようになった。
採用されている100フレーズ自体に変更はないので、旧版をお持ちの方は必ずしも買い替えなくてもよいが、たった2200円の自己投資なので、ケチらずに最新版を購入するのがベターだろう。
おしまい