久々に一冊通しで本が読めた。
収入10倍アップ高速勉強法
★★★★☆
本書は、美人経済アナリストの馬渕磨理子さんがご自身の勉強法をまとめた本である。勉強法には様々な切り口(資格試験・大学受験・英語・教養・独学など)があるが、本書は明確に「社会人」に向けて書かれている。
先日も紹介したとおり、馬渕さんは3浪同志社法学部→就活全滅という挫折を経験してから、地道な努力を積み重ねて今のポジションを掴み取られた方。ここ1〜2年で本当によくメディアで見るようになりましたよね。
前半6割は社会人向けの一般的な勉強法・仕事術についての記述がメイン(私はこれ目当てで読んだ)。後半の4割は、経済アナリストとしての情報収集・分析術や企業への取材スキルなど、成功体験を基に年収を上げていく方法について記載されている。
勉強法を名乗る本の中には、抽象論・精神論に終始する本も少なくないが、本書は著者オススメの新聞名・雑誌名・学者・専門家・Webサイトなどが具体的に挙げられていて、明日からでも取り入れられる内容になっている。
対象となる主な読者は、私のような勉強法マニアに加え、金融業界勤務のビジネスパーソン、BtoBの営業マンあたりになるだろうか。
【ポイント抜粋】
●自分の価値を認めてくれる仕事は無償でも受ける
知識・経験・信用・実績を蓄えられる(=資産となる)仕事を選ぶ。以前は5000円でネット記事を書く仕事をしていた模様。しかも、準備のために文献を読み込んで2万円を使ったこともあるとか。
●副業を通じて、多様な文化やナレッジに触れる
副業の最大のメリットは、今働いている会社とは異なる文化やナレッジを持つ環境に身を置くことができ、そこで働く様々な立場の人たちと交流できる点にあります。その経験が自分だけの「独自性」を生み出します。
●時間を無駄にしない5つのお約束
①会議と会議のスキマを空けない
②社外の打ち合わせは「勉強時間」
③21時以降はゆるめの勉強を
④会食は21時までに帰る ※アルコールも飲まない
⑤カフェ時間を有効活用
(詳しくは本書で)
●まずはマネー誌、ビジネス誌を読め
リアルな投資環境に近い情報をわかりやすく解説し、かつ個々の課題を解決する需要にもこたえてくれるのが「マネー誌」です。代表的なのは『ダイヤモンドZAi』『日経マネー』などです。
『週刊ダイヤモンド』『週刊東洋経済』『プレジデント』『日経トレンディ』『週刊エコノミスト』などのビジネス誌では、定期的に「株特集」や「テーマ株特集」が組まれます。(中略)ビジネス誌の情報はマネー誌よりも、業界情報を深掘りしています。
【感想】
ラクラク勉強法の対極にあるストイックかつ時間のかかるコツコツ型勉強スタイルで、すぐに劇的な成長をしたいとか、プライベートも充実させたいという人には向かない本かと。
一方、天才的な能力が求められることはなく、本書で言及される媒体も日経新聞や王道のマネー誌・ビジネス誌ばかり。
今や日経新聞は楽天証券の契約者なら無料で読めるし、紹介されている雑誌も楽天マガジン(月額418円)でほとんど読めるので、あとは実践するか否かである。
アマゾンのレビューでも言及されている通り、経済アナリストになりたい人が一番ストライクゾーンに入ってくる内容なのだろうが、意外と営業の大切さにも言及されていて、クライアント訪問前の情報収集法なども参考になる。
著者の言うとおり、本書読了後は、無限の選択肢の中から「社会人の勉強」を選んで、人生を好転させるキッカケにしてほしい。
おしまい