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【書評】『「いつでも転職できる」を武器にする』松本利明

本日ご紹介する本はこちら。

 

「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方

「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方

 

現在、ベーシックインカム的な働き方で悠々自適に仕事をしている僕ではあるが、こんなボーナスタイムが長く続くわけはないことはもちろんわかっているので、常に転職を視野に入れて過ごすように意識している。先日そんな僕にまさにピッタリのタイトルの本を書店で見つけたので、早速アマゾンでポチってみた次第。

本書は『市場価値に左右されない「自分軸」の作り方』という副題のとおり、「自分軸」=自分の持ち味を知り、それを活かすことで、いつか来るかもしれない転職に備えるという話がメインテーマになっている。そして、自分軸に合った「市場」は事業のライフサイクルと場所(業界・職種・会社)で決まるという考え方は非常に参考になった。これについては後述。

 

<目次>

1章 「日本の転職」の前提が全て変わってしまった
2章 自分軸にあった市場を見極める
3章 自分軸で売れるキャラを確立する
4章 自分軸で市場価値をつくれるようになる
5章 自分軸で強くなる――転職しない時にやり続けること
6章 永久保存版 自分軸で活躍する判断基準を身に付ける

 

それでは、本書の内容を少しだけご紹介。

自分の「持ち味」を活かし、「向いている」ことをする

パーソナルブランディングは「強み」ではなく「持ち味」をベースにするのが正解

本書では「強み」と「持ち味」は明確に別物として扱っている。「強み」は他者との相対比較で決まるうえ、永遠に保証されるものではない。一方、「持ち味」は性格や価値観のような一貫性のあるもので、「持ち味」に合ったことは速くラクにできるようになるので、そうした領域からどんどん技術を習得すべきとしている。本書ではこの「持ち味」を「資質」と定義して展開される。

 

自分軸をベースにしたキャリアの考え方

自分軸では、キャリアは3つの視点で考えます。

①「事業のライフサイクル」の中で自分がフィットするフェーズはどこか?

②「自分にあった居場所(業界・職種・会社) 」はどこか?

この2点であなたがいるべき「市場=居場所」が確定します。その居場所で、

③①と②で絞った居場所で 「自分のキャラ」で活躍し、成長する

 ①「事業のライフサイクル」は「導入」「成長」「安定」「衰退・再展開」の4つのフェーズに分類される。自分の「資質」に合ったものを選ばないと危険という話。安定期の会社にいたエリートが海外の成長市場へ赴任して機能しないことはよくあるという例が出される、これは資質(持ち味)とフェーズのアンマッチの問題だから。なるほど。

②自分にあった居場所の選び方については、新卒は「会社」を、中途は「職種」を基軸に考えるといいという。これも納得。中途は即戦力が期待されるがゆえ、過去に経験してきた職種の経験が問われますからね。

 

著者の松本利明氏は、PwC・マーサー・アクセンチュアといった世界的な外資コンサルティング会社で5万人以上のクビ切りを手伝い、その一方で、6,500人を超えるリーダー・幹部社員を選抜してきた「人の目利き」である。本書は、そんな人事のスペシャリスト目線で、今後の世の中がどう変わっても戦っていける思考法を伝授してくれる。「目下転職に追い込まれている人」よりは、どちらかと言うと「今の会社にこのままいていいのか」「今後のために転職の情報を収集しておきたい」と思っている人に特にオススメできる内容になっています。

 

 

 

「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方

「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方

 

 

おしまい