一匹狼の回顧録

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【書評】ドラッカー名言集 仕事の哲学(ピーター・ドラッカー)

本日も書評をご紹介。久々にど真ん中の自己啓発系。

 

ドラッカー名言集 仕事の哲学

★★★★☆

ドラッカー名言集 仕事の哲学

【目次】
著者まえがき
第1章「成長」
第2章「成果能力」
第3章「貢献」
第4章「強み」
第5章「進むべき道」
第6章「知識労働者」
第7章「起業家精神
第8章「チームワーク」
第9章「コミュニケーション」
第10章「リーダーシップ」
第11章「意思決定」
第12章「優先順位」
第13章「時間管理」
第14章「第二の人生」
編訳者あとがき

 

近頃、転職本を読み込んでいて、かなり前に一度読んで書評も書いた『一生、同じ会社で働きますか?』という経済評論家の山崎元さんの書いた本を読み直していた。

関連記事:【書評】『一生、同じ会社で働きますか?』山崎元 - 一匹狼の回顧録

 

この本の中で言及されていたのが、今日ご紹介する『ドラッカー名言集 仕事の哲学』である。

ドラッカーに学ぶ転職哲学」という項が設けられており、ドラッカーのキャリア観を転職に応用させて紹介されているのだが、その内容がなかなか良かったので読んでみることにした。

ドラッカーというと、「経営の神様」とも呼ばれ、経営学・マネジメントに関する大家であるイメージが強いが、それ以外にもドラッカーの著作は数多く、それら著作から名言をコレクションした名言集が4冊出ており、その中で一人ひとりの人間の貢献と自己実現にフォーカスをしたのが今日紹介する『仕事の哲学』である。

一ページに2~3行の名言が掲載されており、余計な解説なども書かれていないので、すぐに読み終えられるはずだ。20代の若いビジネスパーソンにとっては、自身のキャリアについて考えるきっかけになる良書だと思う。

山崎氏の勧めるとおり、同書の第5章「進むべき道」という章だけでも読むといいだろう。この部分には、転職を考える人にとって参考になる考え方が凝縮されている。

 

いくつかキャリアを考える際に役立ちそうなフレーズを引用しておく。

 

最初の仕事はくじ引き

最初の仕事はくじ引きである。最初から適した仕事につく確率は高くない。しかも、得るべきところを知り、向いた仕事に移れるようになるには数年を要する。

この言葉を最初に聞いたとき、「なるほど!」と思ったことを思い出した。非常に良い言葉だと思う。最初からある分野の専門職として入社するのではなく、新卒カードは、数年ごとの異動ありの大企業に入るのがいいと言える一つの理由である。事務・管理・営業、いろいろやってみるといい。

 

辞めることが正しいとき

組織が腐っているとき、自分がところを得ていないとき、あるいは成果が認められないときには、辞めることが正しい選択である。出世はたいした問題ではない。

「出世はたいした問題ではない。」これも良い言葉。ちなみに「ところを得る」という単語の意味は、自分に適した職を得て力を発揮することみたいです。要は、会社が気に入らないならやめてしまえということを言ってます。

 

変化が自らに刺激を与える

自らに刺激を与えるうえでも、ある種の変化が必要である。この必要は、ますます人が長生きするようになり、長く活動できるようになるにつれて大きくなる。変化といっても、かけ離れたところに移る必要はない

「変化といっても、かけ離れたところに移る必要はない」→同業界で別職種・近い業界で同職種など、いわゆる「軸ずらし転職」を勧めている。

 

こうやって名言を抜粋してみると、ドラッカー先生、昔からかなり転職を勧めていた様子。まあ、日本と違ってアメリカでは昔から転職は一般的だったようですしね。

本日紹介した以外にも良い言葉が散りばめられているので、ぜひ読んでみていただきたい。

 

おしまい