一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

僕は歳を取った

昨日、会社の飲み会の帰り、ある駅で降りた。

トイレに行くためだ。

いい歳をしたおっさんが酔いつぶれていたらみっともないし、二日酔いで土日を無駄にしたくないので、最近は帰り道に意図的に水分補給している。だからトイレが近い。

ちなみに、こうした自分の身体への気遣いというものが、アラフォーになると非常に重要となる。

 

その駅はターミナル駅とまではいえないが、いくつかの路線が交差する駅で、終電間際になると行き交う乗換客で慌ただしい。

僕の家はその駅から数駅なのだが、酔い覚ましがてら家まで歩こうと思い、その駅で降りることにした。

 

改札に向かって歩いていると、ある路線の最終電車が近づいてきたようで、

 

「まもなく○○行き最終電車が参ります、お乗り遅れのないようにご注意ください」

というアナウンスが流れた。

 

コツコツ、とハイヒールを履いた女性が足早に歩く音が背後から聞こえてくる。

振り返ると、俯きフラフラしながら改札に向かっている。

 

昔なら躊躇なく声をかけていただろう。

しかし、最近はそうした気分にならない。

休日は朝から本を読んだり勉強をしたり、時間をフル活用したいからだ。

このまま家に帰り、風呂で汗を流し、しっかりと洗顔し、サプリを飲んで、睡眠時間を確保する方が先決だった。

よし、帰ろう。

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(画像はイメージです)

 

駅を出ると、心地よい風が吹いていた。

もう夏も終わりだ。

 

家まで2キロくらいあるだろうか。

懐かしい帰り道をゆっくりと歩く。

思えば何度もアポを組んだ女の子たちと歩いた道だ。

 

「二軒目に行こう」

 

と騙し騙し手をつないで歩きながら、結局言いくるめて家に連れ込む、そんなことも多々あった。

そんなことを思い出しながら、家に向かう。

 

こうして終電前に帰り、健全な時間に寝るなんていつぶりだろう。

女遊びを始める20代前半の頃の記憶が蘇った。

金曜も土曜も日曜もなんの予定もなかったあの頃。

 

ナンパの師となる先輩と出会い、ナンパスキルや恋愛テクニックを身につけ、幾多の女性と夜を過ごし、気がつけばアラフォーになった。

僕は歳を取ったのだ。

 

人生を振り返ってみれば、バカをやっていた頃がいちばん面白かった。

いつまでもバカでいられたら幸せだが、人間はいつまでもバカではいられない。

そういうものなのだろう。

 

 

おしまい