一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

【書評】『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』グロービス経営大学院

今日は最近読了したビジネススキル系の本をご紹介。

ここのところ女遊びは極力控えめにし、自己研鑽に励むように意識しています。

 

27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10

27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10

 

概要

本書はグロービス経営大学院の講師陣が、ビジネスパーソンとして「どこに行っても通用する」10個のベーシックスキル(論理思考・仮説思考・プレゼンテーションなど)をまとめた本。「27歳からのMBA」とタイトルにあるとおり、30代前半までに身につけておくべき基本的なビジネススキルについて語られている。

グロービスといえば、前所属の意識高い系の先輩が休日通っていたMBAプログラムを持つ経営大学院である。グロービスにはMBAを目指す本科生の他に、単科生としても入学可能であり、その先輩はロジカルシンキングの基礎を学ぶ「クリティカル・シンキング」の講座に通っていて、非常によかったと言っていた。

僕は、営業は得意な方だが、こういったビジネススキルについては、基礎的なものですらあやふやで、同世代と比べても劣っている部分は否めない。この度グロービスの講師陣がそんな僕にうってつけの本を出版していたので手に取ってみた次第である。

<目次>
はじめに
CHECK TEST:ビジネス基礎力チェックテスト
CONCEPT MAP:グロービス流 10のビジネス基礎力
CHAPTER1 論理思考力
CHAPTER2 コミュニケーション力
CHAPTER3 仮説構築力
CHAPTER4 情報収集力
CHAPTER5 データ・情報分析力
CHAPTER6 次の打ち手を考える力
CHAPTER7 プレゼンテーション力
CHAPTER8 周囲を巻き込む力
CHAPTER9 チームを作る力
CHAPTER10 志を育てる力
おわりに

 

本書の内容

本書で挙げられている30代前半までに身につけておくべき基本的なビジネススキルは次のとおり。まず、ビジネス基礎力を高める「基盤」として「1.論理思考力」「2.コミュニケーション力」について学ぶ。基礎中の基礎(でも大切)の内容という感じ。続いて、課題を設定・発見し、解決していく方法の基礎として「3.仮説構築力」「4.情報収集力」「5.データ・情報分析力」「6.次の打ち手を考える力」について見ていく。ここは企画・提案力を鍛える部分で、本書の肝とも言えるところ。ここまではPDCAのP(Plan)に当たるような側面が大きいが、7章以降は「7.プレゼンテーション力」「8.周囲を巻き込む力」「9.チームを作る力」など実際にビジネスを実行する際のスキルにフォーカスを当てている。そして、最後に「10.志を育てる力」について語られる。

1~10のセクションで語られるそれぞれのテーマに関する書籍は多数存在するが、本書はこのように全体感を持ちながら学習できるので、現在習得中のスキルが何のためのものかを意識しながら読み進めていくことが可能。

 

ポイント

"Big Word" を使わない(CHAPTER1 論理思考力より)

上司との何気ない会話で「やるべきことに注力して、目標達成に向けてがんばります」などという曖昧な言葉を使うことはありがちですよね。グロービスではこうした抽象的な言葉を "Big Word" と総称して注意を促しています。論理的に考えることにおいて、最初に押さえるべきが、この「言葉」の問題であり、常に具体的に語れるように意識すべきとしています。

 

仮説構築力=問題意識×引き出し

仮説の引き出し=知識(経験から得た知識+学習で得た知識)+情報

(CHAPTER3 仮説構築力より)

仮説を構築するには、問題意識を持って日々仕事に取り組むことが大切です。明日も今日と同じように仕事をすればいいと思っている人に仮説構築は不要ですからね。

仮説を引き出すための知識は2種類あり、経験から得られる知識は自らの体験に基づくので頭に深く刻みこまれる一方、幅と深さが限定されてしまいます。この経験を補うのが、体系的な学びです。そして、学習や経験を通じて仮説思考の場数を多く踏むことが大切で、量が質に転化すると言っています。一朝一夕で身につくものではないということですね。

 

枠組みをゼロから考え出す力を身につけることは非常に大切ですが、ビジネスの世界には長い歴史の中で生み出されてきた汎用的に使うことができる枠組み(=フレームワーク)が多数存在しています。(CHAPTER6 次の打ち手を考える力より)

先人の知恵を活用する重要性については、本書の中で繰り返し語られています。地頭も大事でしょうが、こうした知識を数多く知っていて使えるだけでもだいぶ差がつきそうです。

 

感想

「ビジネス基礎力」というタイトルですが、日系大企業特有のノリと体力で20代を乗り切ってきた(?)自分的にはかなり骨太な内容でした。おそらく、コンサルティングファームの新入社員なんかは入社後半年後くらいには身についている基礎的な内容なんでしょうがそれすら身についていないことが身にしみてわかりました。ちなみに「お前アラフォーじゃなかったっけ?」というツッコミは今日はご勘弁を。「27歳から」とタイトルにありますが、アラフォーのリーマンが読んでも全然勉強になりますから!なお、8章の「周囲を巻き込む力」以降は、一般的な自己啓発本に書いてあるような内容で、若干尻すぼみ感があったのが残念。

 

<本書はこんな人にオススメ>
・社内にロールモデルとなる先輩がおらず、能力開発の方向性がわからない若手ビジネスパーソン
・新入社員の頃は雑用ばかりしており、ビジネススキルを習得する機会がなかった中堅ビジネスパーソン
・遊び呆けていたツケが回り、スキル不足が露呈して焦りまくっているアラフォービジネスパーソン(僕w)

 

 

おしまい