コミュニケーション本、とりわけ恋愛のテクニック本などを見ていると、「ディスる」ことの有用性についてよく書かれているのを目にする。相手を褒めずにディスることで、相手に舐められないようにすることが目的である。
たしかに、恋愛では一定程度これは真理である。女子に媚びへつらいお世辞ばかり言っている男子は魅力的には映らない。
一方、経験上言えるのは、褒められて嫌な気分のする人はいないということだ。今日は、基本に立ち返って「褒める」ことの重要性について考えてみたい。
D・カーネギーの『人を動かす』では、心の底から出る賛辞を送ることを勧めている。口から出る上っ面のお世辞ではダメなのである。
人間、相手を貶してこそすれ、褒めることはなかなかしないものだ。僕も、ややもすると職場で後輩の粗探しはするが、褒めることはついつい疎かになりがちである。基本的に人間は自分のことばかり考えて暮らしている。だから、他人の長所を見つけて価値を認めることは、非常に重要な心がけであるが、意識をしなければなかなか難しい。
カーネギーの言うとおり、可能であれば、心の底からの賛辞を送ることができれば理想的だ。ただ、経験上はお世辞でも充分な威力を発揮した場面はある。ゆえに、お世辞でも心の底からの賛辞でもいいので、とにかく相手の長所を考え、褒め言葉を振りまきながら日々過ごすという新しい生活スタイルを提案する。
昨日の「悪口と愚痴を言わない」という習慣に加え、さらに一段階上の「褒め言葉を振りまきながら過ごす」という習慣も意識して生活しようではないか。
実際、職場で盛り上がる話題は、上司や先輩の悪口や愚痴が多いのではないだろうか。それを、明日からは部下や後輩の褒めポイントを見つけて褒めてあげよう。その方がよっぽど生産的であるし、職場の雰囲気もガラリとよくなるはずだ。褒めること自体はタダなので、どんどん褒めていけばいい。何も損することはないのだ。
率直で、誠実な評価を与える。
- 作者: デールカーネギー,Dale Carnegie,山口博
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おしまい