人を説得する原則の8つ目は「人の身になる」という話。
これは以前の記事で書いた、人を動かす三原則の3番目の「人の立場に身を置く」と主張している内容はほぼ同じ。
『人を動かす』では、PART1の人を動かす三原則が、PART2以降の具体的な人の動かし方を理解する上でのベースとなる最も大切な3つのパラダイムになっている。
PART3では人を説得する12原則について述べられているが、当然他人を説得する際に相手の立場に立って考えることは重要ということで、繰り返し書かれているのであろう。
人の身になる。
続いて、人を説得する原則の9つ目は、相手に「同情を寄せる」という話である。
われわれは一人として同じ精神と肉体を持って生まれてきた人間はいない。そして、接する相手が、どんなに意地悪で、偏屈で、わからずやだったとしても、その責めをすべて本人に帰することは妥当ではないと考えることにするのだ。相手の人格を作っているのは他人や環境のせいも多分に含まれる。だから、気の毒だと思って同情してやるのだ。
※われわれ自身は「すべての結果は自己の選択の結果である」いう自責マインドを持って生きないといけない
また、この章では、相手と口論になった場合や、相手がこちらに悪感情を抱いている場合に、相手におとなしく言うことを聞かせる魔法の文句が書かれている。
「あなたがそう思うのは、もっともです。もし私があなただったら、やはり、そう思うでしょう」
これは英文を和訳したもので若干お堅くなっているが、今風に言うとこんなところだろうか。
「わかる、わかるよ。俺も同じ立場だったらそう思うはずだわー」
一時の腹立ちを我慢すると晴れ晴れした気持ちになると書いてあるが、そのとおりである。
米国27代大統領のウィリアム・タフトのエピソードとして、息子を政治的なある地位につかせたいと考えているある女性から無礼な手紙を受け取った際のエピソードが紹介されている。
彼は、早速反論の手紙を書いたが、すぐには出さなかった。机の引き出しにしまい込んでカギをかけ、2~3日してから取り出した。そして、冷却期間を経てから改めて読み返してみると、投函する気がなくなるというもの。代わりに丁寧な手紙を書いて、その女性を説得したというエピソードになっている。
今は手紙というものをまず書かないと思うので、代わりに日記帳に自分の思いを書き、数日後に見直し、冷静になって怒りの感情を終わらせてしまうのがオススメ。
関連記事:日記で毎日を振り返る
相手の考えや希望に対して同情を寄せる。

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おしまい