今日も『人を動かす』からエッセンスをご紹介。
人を変える九原則の2つ目は、「遠回しに注意を与える」である。
繰り返しになるが、D・カーネギーの提唱する人を動かす三原則は以下のとおりである。
・人の悪口と愚痴を言わない(「盗人にも五分の理を認める」)
・心から賛辞を与える(「重要感を持たせる」)
・相手の立場に立つ(「人の立場に身を置く」)
そもそも、彼の提唱するコミュニケーションの根本原則が「人の悪口を言わない」であったり、「相手の立場に立つ」というものであるから、本書で語られる大体の原則が、そうした姿勢を具体化したものになっている。
本原則も、相手を直接注意することは相手の立場に立ったら面白くないだろうから、遠回しに伝えるという方法を取るのである。
さて、今日ご紹介するテクニックでは、チャールズ・シュワッブのエピソードが出てくる。この『人を動かす』では、彼のエピソードが繰り返し紹介されている。彼は、1912年にUSスチール社が設立された時、アンドリュー・カーネギーが社長に迎えた人物である。その時、シュワッブはまだ38歳の若さだった。
チャールズ・シュワッブがある日工場を巡回していると、数人の従業員が煙草を吸っているのに出くわした。彼らの頭上には〝禁煙〟の掲示が出ていたのである。シュワッブは、「お前たちはあの文字が読めないのか?」とは決して言わず、その男たちのそばへ行って、一人一人に葉巻を与え、「さあ、皆で外へ出て吸ってきたまえ」と言った。従業員たちは規則を破っていることを自覚しているだが、それには一言も触れないで、心尽くしの葉巻まで与え、顔を立ててやったのだから、彼らに心服されるのは当然の話である。
また、僕も思い当たることがある。ADHDの気がある僕は会社でよく電気を消し忘れる。というか、ほぼ毎回消し忘れてしまう。これはもう半分病気なので、いくら気をつけても忘れてしまうのである。だが、僕の直属の上司は優しいので、いつも「一匹狼、電気つけっぱなしだぞ」とは言わず、黙って会議室の電気を消しに行ってくれる。なかなか部下に対してここまでできる人はいないだろう。こういった配慮は本当にありがたいし、この上司には付いていってもいいなあ、と感じる。次回からしっかり消すことができればいいのだが、毎回忘れてしまうのが申し訳ないのだが・・笑。
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ということで、他人を注意する時は、直接注意するのではなく、「遠回しに注意する方法がないか」考えてみるといいだろう。
遠回しに注意を与える。
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おしまい