一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

他人に感謝を求めない

今回もD・カーネギー『道は開ける』から、「平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法」をご紹介していく。

分厚い本書も、気づけば半分が過ぎた。

同節の3つ目のタイトルは「恩知らずを気にしない方法」である。

タイトルのとおり、こちらの親切に対して「ありがとう」が言えない人々に対する対処法が書かれている。

本ブログの読者の皆さまの中に、他人に感謝を求めるような愚かな真似をする人はいないと思うが、そんな恩知らずを気にしない方法が3つほど挙げられている。

 

1.そもそも他人は恩知らずだ

基本的に人間は自分のことしか考えていないので、他人に感謝を求めること自体が間違っているという話。『嫌われる勇気』風に言うと、感謝するかどうかはあくまで「他者の課題」なので、こちらはどうにもできないのだ。

本書では、恩知らずの例として、何人か実例が挙げられている。

有名な刑事弁護士を経て判事となったサミュエル・レイボウィッツ氏は、78人の人々を電気椅子から救った。しかし、そのうちの一人として、彼に感謝の意を示すことはなかった。

キリストは、10人のらい病患者を癒した。だが、そのうち彼に礼を言ったのはたった一人であった。他の9人は一言の礼も言わず逃げてしまった。

USスチール社の初代社長であるチャールズ・シュワッブは、銀行の公金を横領して株式相場に注ぎ込んでいた銀行の出納係を助けた。結果、その男は刑務所行きを免れた。シュワッブが金を立て替えてやったからだ。その出納係は、当初は感謝したけれども、やがてシュワッブに反抗的となり、陰口を言っては自分の刑務所行きを救ってくれた男を非難するようになった。

鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの場合は、彼は親戚に100万ドルをあげたのに、その親戚は、「カーネギー老人は慈善事業に3億6,500万ドルも寄付したのに、自分にはわずか百万ドルのはした金しかくれなかった」と悪口を言った。

 

ローマ帝国の最盛期「五賢帝時代」最後の皇帝であるマルクス・アウレリウスは、こう日記を残している。

「私が今日これから会おうとしているのは、おしゃべりで、利己的で自己中心的で、恩知らずの人間どもだ。だが私は別に驚きもせず、困ってもいない。そんな連中のいない世界など想像できないのだから」

 

先日記事にしたとおり、他人に期待などしてはならないのである。

alonewolf-memorandum.hatenablog.com

 

2.与えること自体の喜びを知る

何の見返りも求めずに、他人に与えたり、他人を助けたりすること自体に喜びを見出そうという話。

ホリエモンもよく「ギブ&ギブ」、おまけに「ギブ!」くらいの気構えが必要と言っている。相手に惜しみなく与え、見返りなど期待せず、相手の想像をはるかに超える何かを与えることこそが、信用を得る近道だと。ただ、もらうことばかり期待して、何も与えようとしない人は、遠ざけているとも言っている。僕も同意見で、基本的にはギブの姿勢でいいと思うのだが、際限なくギブし続けるのはオススメできない。

 

3.子供に感謝の念を持たせるには、親が見本を見せる

もし自分の子供が恩知らずだとしたら、非難されるべきは親という話。親が他人に感謝することを教え込まなかったとしたら、子供たちに感謝してもらえるはずがないのいうこと。当たり前のことが書いてあるので割愛。

 

平和と幸福をもたらす精神的態度を身につけるための第三の鉄則はこれだ。

  

平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法③
◉A恩知らずを気に病む代わりに、むしろ恩知らずを予期しよう。キリストは一日に十人のらい病患者を癒したが、キリストに感謝したのはただ一人だけだったことを思い出そう。キリストが受けた以上の感謝を期待するのは無理ではあるまいか?
◉B幸福を見つける唯一の方法は、感謝を期待することではなく、与える喜びのために与えることである。
◉C感謝の念は後天的に「育まれた」特性であることを思い出そう。だから、子供に感謝の念を植えつけるためには、感謝の念を持つように子供に教えなければならない。
 
道は開ける 新装版

道は開ける 新装版

 

  

 

 おしまい