一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

足るを知る

今回もD・カーネギー『道は開ける』から、「平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法」をご紹介していく。

同節の4章目のタイトルは「百万ドルか、手持ちの財産か」である。

これも直訳なので若干分かりにくいが、簡単に言うと「足るを知るべし」ということである。自分は既に十分幸せであると気づくことが、幸せになるための非常にシンプルで効果的な方法なのだ。

 

この章で出てくるエピソードはどれも、悲嘆に暮れたり、極限状態を経験する中で、自分が今のままでいかに恵まれているかに気づくという話だ。

・経営していた食料雑貨店を畳む羽目になり、精も根も尽き果てていた男が、生気がみなぎった両足のない男を見て、自分がどれだけ恵まれているかを悟った話

・21日間救命ボートで太平洋を漂流した経験を通して、飲みたい時に飲める水と食べたい時に食べられる食料さえあれば幸せだと学んだ男の話

・心臓病で一年間のベッド生活を余儀なくされた女が、目の見えること、耳の聞こえること、おいしい食事、読書の時間など、自分が感謝を捧げるべきことを毎朝考えるようになった話

このようなエピソードが書かれている。

 

僕も幼い頃、父上によくこう言われた。

日本に五体満足で生まれ落ちた時点で、人生半分勝ったようなもんだぞ。

これは、自分が落ち込んだ時にいつも思い出す言葉である。

  

ここで、あなたも今持っているものを再確認してみよう。

たとえば、いま病気もケガもしていないこと。

たとえば、帰省したら美味しい料理を振る舞ってくる両親がいること。彼らが健在で元気なこと。

たとえば、定期的にデートして、セック◯させてくれる彼女がいること。

たとえば、気軽に飲みに行ける友だちがいること。

たとえば、ジムで運動してストレスを発散できること。

たとえば、したい時に好きなだけ読書ができること。

たとえば、会社から毎月25日に給与が遅滞なく振り込まれること。

 

欠けているものばかり考えず、自分に備わっているもの、自分が持っているものに目を向けよう。

探せばいくらでも見つかるはずだ。

それを「当たり前」だと思っているかもしれないが、それは違う。

持っていない人からしたら、欲しくて欲しくて仕方がないものなのだ。

 

ガリバー旅行記』の作者ジョナサン・スウィフトはこう言った。

「世界一の名ドクターは、食事ドクターと静寂ドクター、そして陽気ドクターだ」

私たちは自分の持っている財産を見直すだけで、毎日好きな時間に「陽気ドクター」の無料の診察にあずかることができるのだ。

あなたは両眼を10億ドルで手放す気があるだろうか?

あなたの両足と何かを交換したいと思うだろうか?両手は?聴覚は?子供は?家族は?

自分が今持っている財産を合計してみよう。そうすれば納得できるはずだ。たとえいくら積まれようとも、自分の持ち物を売り払う気にはなれないことが。

 

平和と幸福をもたらす精神的態度を身につけるための第四の鉄則はこれだ。

  

平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法④
◉厄介事を数え上げるな、恵まれているものを数えてみよう。
 
道は開ける 新装版

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 おしまい