一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

対抗意識を刺激する

人を説得する原則のラスト12個目は「対抗意識を刺激する」というテーマ。

 

これは、職場の部下や後輩に効率的に成果を出させる時に特に使えるテクニックである。『人を動かす』では以下のように表現されている。

仕事には競争心が大切である。あくどい金儲けの競争ではなく、他人よりも優れたいという競争心を利用すべきである

 

たしかに、その人の性格にもよるだろうが、ライバルをあてがい切磋琢磨させることで、通常以上の成果が出ることも大いにあるだろう(筆者は日系企業の会社員の身分でがんばることは悪手だと考えているが)。負けん気を起こさせて仕事で成果を出させるのは悪いことではない。本書では、セオドア・ルーズヴェルトニューヨーク州知事に選ばれた際のエピソードが掲載されている。

 

一方、この対抗意識を生かすテクニックはあくまで仕事、すなわちビジネスシーンでの活用に限るべきだろう。実際に、本書でも、大体の原則がプライベートに応用できると書かれているが、本原則は紹介されるエピソードがビジネスの場面に限定されている。

 

対抗意識を燃やすということは、必ずそこに敵や相手というものが存在することになる。

本ブログでも何度も紹介している『7つの習慣』では、自分の人生の中心に何を置くかで人生に大きな影響があると書かれている(「第2の習慣 終わりを思い描くことから始める」より)。

あくまで「正しい原則」を人生の中心に置くべきで、一般的に中心に置かれがちだが、中心に置いてはいけないものの例として、「配偶者」・「家族」・「お金」・「仕事」・「所有物」などが出てくるのだが、そのうちの一つに「敵」が挙げられている。

敵を人生の中心に置いてしまうと、心の安定が敵対する相手の一挙手一投足によって揺れ動いてしまったり、怒りや妬み・恨みなどネガティブなエネルギーが力の源泉になってしまう。意識的に敵中心の人生を送っている人は少ないだろうが、これはよくあることなのである。

あくまで、敵や相手の存在は職場の成果を最大化するためにのみ使うことにして、プライベートに対抗意識を持ち出すような悲惨なことはしないようにしよう。

 

 

人を説得する原則⑫
対抗意識を刺激する。

 

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

 
 

 

おしまい