一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

些細なことにこだわらない

今日も引き続き、『道は開ける』から「悩みの習慣を早期に断つ方法」をご紹介。

 

あなたは一年前に悩んでいたことを思い出せるだろうか?

僕も細かいことでいろいろと悩んではいるが、正直昨年の2月に何を悩んでいたかなど覚えていない。

ここ数日で言うと、少しだけ食べすぎて腹が出てきたこととか、ニキビが一つできたとか、 朝勃ちが悪くなったなとか、同じことをしつこく言ってくる上司に腹が立ったりとか、そんなことを気にしたりしている(朝勃ちの件は若干深刻ではあるが笑)。

ただ、断言できるのは、来年の2月にこれらの悩みを覚えているかというと、200%そんなことはないと言える。

要するに、われわれは小さなことにクヨクヨとしすぎなのである。

 

本書では、ニュージャージー州に住むある男のエピソードが紹介されている。

太平洋戦争末期の1945年3月、その男はインドシナ沖合いで潜水艦に乗っていた。彼らは日本国の駆逐艦に見つかり、海底で15時間もの間爆撃を受けた。機雷が潜水艦から5メートル以内で炸裂したら、その衝撃で艦に穴があく。無数の機雷が彼らの潜水艦から15メートルと離れていない場所で炸裂した。彼にとってこの15時間は、1,500万年にも匹敵するように思われたという。

その時、彼の過去の生活が、もう一度目の前で繰り返された。彼は、自分の犯した悪行のすべて、思い悩んだ事柄を一つ一つを思い返した。銀行員時代の長い勤務時間、安い給料、昇進の見込みがないこと、自分の家を持つことができず、新車を買うこともできず、妻に美しい服を買ってやれないことなど。数年前には、これらが彼の大きな悩みの種だった。

だが、機雷に吹っ飛ばされはしないかと冷や汗をかくうちに、そんなことは馬鹿げたものに思えてきた。彼はその時に自分自身にこう誓った。もし再び太陽や星を拝むことができたら、もう決して、悩んだりはすまいと。

私たちが人生の大きな災難に雄々しく立ち向かう例は珍しくない。だが、些細な出来事を気に病むのだ。

 

英国の首相であったディズレーリは言う。

「人生は短すぎる。小事にこだわってはいられない」

 

素晴らしい言葉ではないか。心に刻んでおこう。

われわれはしばしば、一年後には忘れてしまうような些細なこと、たとえば冒頭挙げたような悩みで人生をつまらなくさせる。

人生を価値ある活動に捧げよう。小事にこだわるには人生は短すぎる。

 

本章の最後にこんな比喩が紹介されている。

コロラド州のある山腹に一本の巨木の残骸がある。樹齢400年の木だという。その木は長い生涯の間に14回も落雷に見舞われ、数え切れないほど多くの雪崩や暴風雨に襲われた。その木はひたすら生き抜いた。

しかしながら、最後はカブトムシの大群が押し寄せ、その巨木を地上に倒してしまった。虫たちは樹皮を破って侵入し、徐々に巨木の生命力を破壊してしまったのである。長い歳月に耐え、雷鳴を物ともせず、嵐にも屈しなかった森の巨木が、人間の指でひねりつぶされてしまう小さな虫たちのために、ついに倒されてしまった。

われわれはこの勇ましい森の巨木に似ていないだろうか?稀に襲ってくる人生の嵐や、雪崩や、雷鳴には何とか生き延びていくが、虫ほどの小さな悩みに、心を食い破られていないだろうか?

悩みの習慣を早期に断つための2つ目の鉄則はこれだ。

  

悩みの習慣を早期に断つ方法②
<カブトムシに打ち倒されるな>
◉気にする必要もなく、忘れてもよい小事で心を乱してはならない。
「小事にこだわるには人生はあまりにも短い」
 
道は開ける 新装版

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 おしまい