一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

「賢さ」のつくり方

先日のKindleストアの日替りセールで、こんな本を買った。

賢さをつくる 頭はよくなる。よくなりたければ。

 

賢さとは何か

どうやら賢さは作れるらしい。

本書では「抽象」と「具体」を長く・速く・多く行ったりきたりできる能力を頭がいい(賢い)人と定義している。

その点、僕は「賢さ」とは縁遠い。

昔から人一倍本を読んできたので、割と広いジャンルの知識はある。

文学・社会・歴史といった普遍的なものから、政治・経済・金融など時事的なものまで、一通りの情報は知っているつもりだ。

しかし、残念ながら日本式義務教育の弊害と言われている知識偏重型人間の典型である。

豊富な知識を活かして、他人が思いつかないような独創的なアイデアが思い付けるかというと、全くそんなことはない。

 

本書では、小中学校で重視されたインプット力を「抽象化能力」・社会人で重視されるアウトプット力を「具体化能力」としている。

これは少しわかりにくいが、たとえば「イヌ」という言葉を「うちの柴犬のポチ」という情報に落とし込むのが具体化である。

イヌにもいろんな種類があり、それを柴犬という種類に具体化し、さらにそれを自分の家で飼っているポチという情報までさらに具体化する。

その反対が抽象化である。

 

営業職と企画職の違い

抽象・具体を行ったり来たりする能力の欠如は、僕がサラリーマンのキャリアのうち多くの期間を営業職に従事してきたということもあるかもしれない。

営業職は目の前にある製品やサービスを販売するという意味で「具体」性の強い仕事という印象を持つかもしれないが、よくよく考えるとこれは真逆である。

自社の製品・サービスを購入してくれる顧客を見つける過程で、商品知識・業界知識に加え、時事問題・一般常識といった教養も求められ、さらに言語化が難しい個性や感性で営業のやり方は千差万別だし、それでも最後は顧客との相性によっても結果が左右され、そして結果が出れば万事OK(=正解は一つではない)というかなり「抽象」度の強い仕事なのだ。

 

一方、企画職は、まさしく「抽象」と「具体」を行ったりきたりする仕事だ。

多くの顧客が買いたい(多くの営業マンが売りたい)と思う製品・サービスや、多くの社員が使いたい・あったら便利だと感じる仕組みを作るために、同じ課題について抽象と具体の間を何度も行ったり来たりする必要がある。正解がある程度限定されている。

 

賢さを鍛えるトレーニン

幸い、この能力はトレーニングで鍛えることができるようだ。

やり方は非常にシンプルで、5W1Hの質問を自分にするだけでよいという。

抽象化方向に考えるには「Why(なぜ?)」という質問をすればよい。

具体化する方向に考えるにはWhy以外の4W1Hの質問をすればよい。

たったこれだけ。

5W1Hに含まれない思考は存在するが、実用上はこの5W1Hの質問を使いこなすだけで思考は何段階もレベルアップすると著者は言う。

ほとんどの人は、自分の得意な方向と苦手な方向が存在しており、無意識的にいつも片方向にしか考えていないからだ。

抽象化が好きな人はいつも「Why?(なぜ?)」という質問ばかりを使い、具体化が好きな人はいつも4W1Hの質問ばかりを使っているといった具合に。

これを普段使わない反対方向の思考を意識的にすることで、思考のバランスがよくなり、具体化と抽象化の動きがスムーズになるというのだ。

 

まだ途中までしか読んでないけど、めっちゃ面白い本なのでオススメ。

 

おしまい