一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

日本企業の悪しき慣習に負けない

ここ1ヶ月くらい本業の仕事で磨耗が続き、ナンパはおろか平日夜の女子とのアポもほとんど組めなくなっている。

完全に日系のメンバーシップ型の働き方にやられている気がするのだ。

メンバーシップ型雇用とは、日本型雇用と言い換えてもいいと思うのだが、新卒一括採用を前提に、転勤や人事異動・ジョブローテーションを繰り返しながら、いわゆるゼネラリストを育成していく雇用システムである。

 

高度経済成長期に完成したこの仕組みは、長期的に働くことを想定しているため、終身雇用・年功序列を前提としているうえ、不当な解雇から労働者を守るための労働組合も発達している。

要は、仕事をしないもの勝ちなりやすい制度設計なのである。

裏を返せば、欧米のジョブ型雇用と違い職務範囲が明確でないため、仕事をしっかりやる人に仕事が偏ってしまうのだ。

 

ワタクシの所属する営業部の担当グループの構成員は以下のような年齢構成になっている。

●グループ長(50代前半)
●先輩A(40代後半)※統括的ポジション
●先輩B(50代前半)
●先輩C(40代前半)
●ワタクシ(30代後半)
●後輩A(30代前半)
●後輩B(30代前半)
●後輩C(20代後半)
●後輩D(20代後半)
●後輩E(20代前半)

 

統括の先輩Aを除き、先輩B以下は綺麗に年功給料になっている。

この中でいわゆる非役職層の社員(平社員~主任レベル)が後輩C~Eなのだが、なんと3人ともワタクシ一匹狼の部下になっているのだ。

上司曰く、「一匹狼にしか任せられないから」と綺麗事を言うが、先輩Cより100万以上給料が低い僕が、毎日の活動報告やCCで送られてくるメールに全部目を通したり、人事面談を3人分こなしたりするのには違和感が拭えない。部下育成以外にも細かい三遊間の仕事が次々に降ってくる。完全にメンバーシップ型の弊害だ。

 

それでは、日系企業の仕事のできる社員はどのように自分の気持ちと折り合いをつけているかというと、仕事のできない先輩や同僚を見下すことである。これが、陰湿な社内いじめにつながっていると思う。

僕は逆に先輩Cのように自分の営業先を回る以外に何もやらない営業マンになりたいので、そうしたいじめは決してしない。

逆に「Cさんいいなぁー。俺もそっちに行きたいっす」と言うと、彼はニヤリと笑っていた。

 

僕は客観的に見ても、グループの中では1、2の評価を受けていると思われる。 

昭和の上司が大好きなホウレンソウは得意だし、社内政治も心得ている。パワハラ・セクハラは絶対しないので部下指導も及第点は取れるだろうし、それでいて営業の数字も他人の1.5倍はできる。

それでも、ボーナスが数万上乗せされるだけというこの「搾取構造」に摩耗させられているのだ。

まあ、周りよりも実績を出すと「自信」という無形資産と言えなくもない微妙なものが得られるのだが、他人と同じ条件で体力・気力をすり減らして働くのは会社の思う壺だ。

 

ということで、最近は割り切って、19時にはパソコンの電源オフ。業務用携帯も19時半にはオフ。土日は絶対に仕事しない。

と決めて、メリハリをつけて生活をしている。

これくらいやらないと20代の頃の社畜生活に戻ってしまうからね。

当時よりスマホも発達して、いつでも仕事できるようになってしまったから、思考停止してクソ真面目に生きると、冗談抜きで仕事だけで人生が終わる。

日本企業の悪しき慣習に負けぬよう、今日も自分なりに静かな抵抗をしていきたいと思うのだ。

 

おしまい