一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

【ルート営業の教科書】日本型雇用のルール④

第1章 日本型雇用のルール

2.あなたの給料はどのように決まるのか

~続き~

ここまでの説明で、勘のいい人はだんだんと窓際族のおじさんの給料が高い理由が見えてきたのではないだろうか。

実は、この必要経費については、扶養すべき家族についても考慮されることになっている。労働者に扶養すべき家族がいる場合、「明日も元気に会社に行くために必要な費用」には、家族の生活費も含まれる。家族の安全が担保されていなければ、心配で仕事が手につかないからだ。

だからといって、(家族手当など若干差があったりするケースはあるものの)結婚して子供が何人いようと独身であろうと基本的に給料には差がつかない。年齢が上がるにつれて給料が増えていくのは、社会一般的に考えて必要経費が増えるからだ(「社会一般的に決まる」というのがポイントである)。

たとえば、少し前までの典型的な日本人家族のイメージは「25歳までに結婚して、20代後半に第一子誕生、30代前半で第二子誕生、妻は専業主婦」というような感じではないだろうか。

社会一般的に、それぞれの年代・年齢でいくらかかるという相場感があったがゆえ、年齢を重ねるごとに必要経費が増えていくという前提だったので、給料が右肩上がりに増えていく制度設計になっている。

ゆえに、あなたの職場にいる「何も仕事をしないのに給料が高いおじさん」は、そのおじさんたちの生活費(必要経費)が高いから給料が高いだけ、という話なのだ。

 

なんだかネガティブな話をしてしまったが、この構造を理解することが、あなたの生活に余裕をもたらすヒントになる。

「社会一般的に考えて必要な経費が払われる」ということは、裏を返せば「社会一般的に必要な経費は、個人的には不要な分も払われる」ということなのだ。この事実を認識することが、働き方を改善する大きなポイントの一つになる。