一般に、ワクチン接種により6~7割の人が免疫を持つと、集団免疫が確立する。なお、新型コロナウイルスについては、インド発のデルタ株が猛威を奮っており、8~9割の接種が必要との見方もある。
さて、そんなワクチンには副反応がつきものである。数ヶ月前のヤフーのアンケートによると、ワクチンを「当面受ける気はない」「様子を見てから打ちたい」という人の数が半数を超えていて、接種には慎重な人が多かった。(引用:新型コロナワクチンの接種、あなたの考えは? - Yahoo!ニュース みんなの意見)
冒頭で書いたとおり、集団免疫を獲得できればいいわけだから、自分がワクチンを打たずとも、周りの多くの人が打ってくれれば、自分にも感染しないという考え方―これは「ワクチンのタダ乗り(フリーライド)問題」と呼ばれる。まあ、なんとも自分勝手な考え方である。
正直、多少なりとも副反応のリスクを背負って日本社会のために(もちろん自分のためにも)ワクチンを接種した身からすると、一定のどうしてもワクチンを打てない持病などがある人を除き、あえて打たない選択をしている人間は徹底的に差別(区別というのが正しい)してほしいと思う。
「打たない自由は欲しいけど、打った人と同等の自由も欲しい」これは認めるべきではないと思うのだ。
幸い、ここにきてワクチンパスポートや接種証明書を公共の場で活用しようとする議論が出てきていて、とても素晴らしいことだと思っている。
ワクチン接種者にはインセンティブを与え、フリーライダーにペナルティを科す、これが接種率向上のカギだろう。
アメリカでは自治体によっては「ワクチン宝くじ」を実施し、大規模イベントはワクチン接種証明書がないと参加できないとした。
それに対して日本では、人権活動家が「インセンティブは差別を助長する」と声高に批判し、メディアは視聴率の取れるワクチンの副反応や廃棄の記事ばかり取り上げる。これでは接種率が上がらないのは当然だ。
そして、ここにきて昨日以下のようなニュースを目にした。
FDA(米食品医薬品局)がワクチンを正式承認したのを受けて、バイデン大統領は「もっと多くの人々がワクチン接種を受けるよう、接種義務付けの強化をより多くの民間企業に求める」と言った。日本政府もこれくらいやってほしいものだ。
少なくとも民間企業が自社の従業員に接種を義務化するのは、その会社の裁量の範囲内だと思うので、外野がギャアギャアと騒がずに粛々と進めてほしいと思う。
おしまい