一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

書評『口説きの理論』麻生カイコ

今日は以前読んだナンパ本を再読したのでご紹介。

 

口説きの理論
★★★★★

口説きの理論―ナンパの鉄人が極めた最強のワザ (宝島社文庫)

 

めちゃくちゃ内容がぶ厚く、編集者の熱量を感じるナンパ本で、合計経験人数2000人を超える3人の「ナンパの鉄人」が実践するナンパ手法をマニュアル化した内容になっている(1997年からの雑誌『宝島』の企画をまとめて書籍化したもの)。ナンパのゴール=セック◯と定義しており、長期的な彼女を見つけるというよりは、サクッとその日出会った人を即りたい人向けの本。発行は1999年と20年以上前になるが、ナンパ師としてのマインドなどは現代でも十分応用可能な内容となっている。

 

前半部がナンパの鉄則101をまとめており、マニュアルと言える部分。メンタルから始まり、ナンパをする時間・場所・相手の選別方法から、利用するチャネル、職業・年齢別の攻略法まで網羅された内容となっている。特に、彼らのナンパ・スピリッツをまとめた最初の21の鉄則は必見だ。ストナン・クラナン以外は、時代柄テレクラ推しとなっており、そこは読み飛ばしてもよいだろう。

後半部は宝島の単発企画(編集者がナンパしてみた・人妻座談会など)であり、一回目を通せばいいかなという感じ。

 

佐伯氏・高瀬氏・西川氏という3人の鉄人が登場するのだが、彼らの言いたい放題のナンパ哲学を少しだけご紹介しよう。

失敗しても次の女に声かける時には、もう忘れてるんですよ。それでうまくいくと、よかった、さっきのブスひっかけなくて・・と。失敗なんて気にしてたらナンパなんてできないですよ。(西川鉄人)

僕は、女に声かけて無視されたら、あいつバカなんじゃないのとか、たぶんあいつ病気もってるんだとか、失敗して助かった、ぐらいのプラス思考で考えてまた次にいってます。(高瀬鉄人)

女とやって一番感動するのって1回目じゃないですか。だから僕は1人を引っぱるより新規開拓を常に目指しています。それにナンパした女をいちいちキープしたら金がかかってしょうがないですよ。(高瀬鉄人)

ゲットできなかったっていうのは失敗じゃないです、それは修行ですから。(中略)悪癖女に捕まった時っていうのは、どうやって切るかしかないから発展性がないんですよ。ナンパが成功しなかったっていうのは、失敗じゃない、そうやってみんな慣れていくんですから。(佐伯鉄人)

 

本書が発行されたのは、携帯電話とインターネットが世の中に出てきた時代で、現在テレクラはマッチングアプリに完全に置き換わっているので、一部参考にしにくい箇所もある。だが、少年時代にテレクラ全盛期だったワタクシはあのネオンの輝く店の中で何が行われていたのかがわかり読み物としてけっこう面白く読めた。

また、ハンドテストとか形式グダ崩し的な内容も出てきて、恋愛工学の祖先の一つにもなっているかもしれない。宮台真司先生が論客として登場したりするし(笑)。

3人の鉄人に共通していた点は、ナンパはあくまで生活のごく一部であり、仕事・家族・友達優先という姿勢だった。ナンパはあくまで遊びの一つであり、背負い込むものではないのだとか。シビレます。

とにかく、時代を超えて読める素晴らしいナンパ本なので、まだ状態の良い中古品が比較的安くアマゾンに出回っているうちに、購入すべし!

 

おしまい