一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

一匹狼の弱点は一匹狼であること

こんな言葉を上司に面談で言われた。

ちょっとわかりにくいのだが、タイトルで使った一匹狼という単語は「単独行動を好む人」という意味でなく、私の名前(たとえば山田)で、山田の弱点は山田であることだ、のような意味で使っている。

 

今日は月に1回の部長との面談日だったのだが、予算は毎月余裕で達成しているし、部下育成も抜かりなくやっているのにどういうことだ? と思った。

どうやら、この言葉の裏の意味は、「再現性がない」ということのようだ。再現性のない営業パーソンが組織にいると、その人間が人事異動や退職等でいなくなってしまうと途端に数字が出なくなってしまう、明らかにそんなことを危惧しての言葉だった。簡単に言うと営業スキルや経験が属人化していることに対する危機感だ。

 

考えてみると、たしかに自分はクライアントに訪問した時、説明のためにパンフレットや資料をほとんど使わないんですよね。理由は読んだら誰でもわかるから。そして、文字が読めないような人は相手にしないので。

それより、相手の趣味の話、家族の話、仕事の話、恋愛の話、その地域の話、最近起こったニュース(時事問題)、最近読んだ本の話などなど、まったく自社商品・サービスに関係ない話をしている。仮にするとしても、競合他社の商品・サービスを実際に使っている人にその強みや弱みをヒアリングするくらい。

何も営業テクニック的にやっているワケではなく、単純に自社商品・サービスの話なんてしてても自分が楽しくないから。そんなことより、相手との会話から少しでも自分の見聞を広げ知見を得られるような時間にしたいのだ。まあ、自分が比較的何でも知っていることをドヤりたい気持ちもなくはない笑(当然、商品・サービスの説明に来てくれと言われれば全力でやる)。

 

どうやら部長は誰が担当しても70点取れる組織を目指したいらしい。初訪の時にはこの資料を使って、数日後にフォローの電話を入れて、2回目の訪問時にはこのセールストークでニーズをさらに高める、など。こういう再現性の高い組織を目指したいのだとか。

でも、こんな営業しかいない組織が強い営業部隊なのか、と考えれば答えは「NO」だろう。クライアントからしたってそんな機械的な営業を受けて心を揺さぶられるはずがない。

 

また、再現性がある=容易に代替可能ということに他ならないので、個々の営業パーソンとしては、いかに簡単に真似されない個性を身につけていくかということが肝になる。そのためにも幅広い教養、トーク力、ヒアリング力、共感力、眼力・胆力に至るまで総合的な人間力を高めていく必要があるのだ。絶対に再現性のある営業になってはダメだ。そして、そうした能力は一朝一夕で身につくはずがない。だから、可能な限り転勤や異動を避けようといつも言っているのだ。

そういう意味でニヤリとしてしまう一言であった。ワタクシがもし異動になったら、きっと大慌てなんでしょうが、その時は長い時間をかけて他の個性派を育成するか、お望みのとおり頑張って平均的な営業部隊を作ってもらうしかないですね。まあ、いずれにしても自分には関係ない話なのです。

 

おしまい