一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

やりたいことを仕事にすべき、は本当なのか?

みなさんは、やりたいこと・好きなことを仕事にしていますか?

私の大学時代の就活に関しては、以前にも記事にしたとおりひどいもので、数週間ダーツでも投げるような気持ちで行い、最初に内定をくれた企業にそのまま就職してしまった。

当時、仕事としてやりたいことや、仕事にしたいくらい好きなことなど一切なく、そこそこの給料がもらえそうな会社10数社にエントリーしただけだった。

 

今思うと、これは大正解で、結局何の思いもないからこそ大きな不満もなく続いている面は否定できず(人間関係の不満は時折あるものの)、これは、やりたいこと・好きなことを仕事として選ばなかったがゆえの無敵感なのかな、とも思うのである。言い方は悪いが、「仕事に何の期待もしていない」のである。

 

だから、入社後に事務企画部門でシステム開発・設計の上流工程に携わったのもそれなりに楽しかったし、営業企画部門でマーケティング的なことも勉強になったし、新規開拓の営業も今となってみればメンタルの鍛えられる良い経験となった(もうやりたくないけど)。

これが、やりたいこと・好きなことという軸を大学卒業の段階で明確に持っていて、どうしても経理の仕事がしたかった人が、最初の配属で営業の仕事に回されるようなことになると、すぐに辞めてしまうのだ。

最近、採用時に職務範囲や勤務地を明示すべきという風潮になっているので、こうしたミスマッチは起こりにくくなるのだろうが。

 

しかしながら、それが最良の制度設計かと問うた時、本当に学生風情が自分の適性を客観的に評価できるのか? と考えると甚だ疑問ではある。

そもそも論として、自分がやりたいこと・好きなことと、企業への収益貢献度にはほとんど相関関係がない、ということに目を向けるべきだ。

例えば、どうしても服のデザインの仕事をしたくても、センスがなければその人はまったく売上に貢献できないだろう。逆に、学生時代大嫌いだったが成績は抜群だった簿記で軽く1級取ってますみたいな話なら、企業としては喜んで経理部に回すはずだ。

 

また、やりたいこと・好きなことを仕事にしてしまうと、周りとの競争で心を砕かれる可能性も高い。

よくよく考えたら、私も昔から無類の読書好きだったりとか、知的好奇心が強かったりしたので、そうしたものを活かせる職業考えれば、新聞記者・ジャーナリストとかいう選択肢もあるのだろうが、その世界で明らかに自分より優秀で頭のキレる人を見つけてしまった時、自分の存在価値というものを疑い病んでしまう可能性が高い。

だから、やりたいこと・好きなことで稼ごうなどとせず、仕事の外側で自分のペースで楽しんでいればよい、と私個人は思うのである。

 

・やりたいこと・好きなことを仕事にしない
・やりたいこと・好きなことは、可能な限り仕事をサボってスキマ時間にやる
・やりたいこと・好きなことは、可能な限り定時に仕事を終え終業後にやる

というのがベストだと思っていて、これが叶うのは、やっぱり固定給・新規開拓なしのルート営業になるんですよね(笑)。コミュ力とか調整力は必要になるものの、あまりやりたがる人がおらずブルーオーシャンな領域だと思う。

自分が営業の仕事を選ぶなんて学生時代には到底考えられなかったのだが、いろいろやらせてもらって、自分の能力・適性に応じた場所に落ち着くことができるというのが、昔ながらのジェネラリスト志向の企業のよいところなのだと思います。

 

おしまい