一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

書評『300万円で大家になって地方でブラブラ暮らす法』加藤ひろゆき

今日は先日再読した本をご紹介。

 

300万円で大家になって地方でブラブラ暮らす法

★★★★☆

300万円で大家になって地方でブラブラ暮らす法

 

私が不動産投資に興味を持つきっかけになった加藤ひろゆきさんによる著書だ。

はじめにお断りをしておくと、この本は不動産投資の手法について学びたいという人には全く不十分な内容なので注意だ。不動産投資本ではなく、FIREを達成した著者の波乱万丈な半生を綴った自伝と考えてよい。

なお、加藤ひろゆきさんの本は何冊か発売されているが、ボロ物件としての投資対象をアパート・空き家(一軒家)・空地に変えただけで、内容はかなり重複していることにも言及しておく(内容が面白いので私は全部読んでいるが)。

繰り返しになるが、具体的な不動産の購入方法やリフォーム術の詳細などについての情報は少ないので、そういったことには期待せず、純粋に「読み物」として楽しむことをオススメする。

 

特に、中盤のアメリカでの俳優生活や後半のロバート・キヨサキに会いに行った話は不動産投資とは関係なく、アマゾン等のレビューを見てもそのあたりが賛否が割れているところではあるが、私個人としてはそこが面白い。むしろそこに注目すべきだ。

レールに敷かれたサラリーマン人生を送るのが正解とされた90年代に、著者は夢を追ってハリウッドで俳優を目指し、10数年後に夢破れて帰ってきて、それから歯を食いしばってうだつの上がらないサラリーマンをやりながらFIREを達成する人生とか、めちゃすごいじゃんと思う。われわれが得るべきヒントがたくさんあるはずだ。

読者の誰もが「これだけ行動力があれば、そりゃ成功するよなぁ」という感想を持つだろう。だから、どちらかと言うと不動産投資本というよりは、楽しく自由に生きるためのヒントをもらう本なのだと私は思う。

 

ちなみに、著者がFIREのヒントを得たのが『金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法』である(改訂前の旧版ですが)。

改訂版 金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法 (単行本)

ただ、著者の投資法が原書と根本的に大きく違うのはレバレッジ(借入)を使うか否かという点だ。大抵の不動産投資本が銀行の融資を引いて行う手法を推奨している中、無借金経営を実践している点が私は一番気に入っている。一匹狼家は歴代無借金経営の太い家なので、生活に困ってもいないのに借金をすることは親不孝になるので避けたいのである。

 

以下、私の気に入ったフレーズをいくつかご紹介。

「まあまあ」というのが重要で、あまりにも目標が高すぎると、借金も増える。仕事がないときは、執筆、勉強、読書、クルマの改造&走行実験、買い物、そして、家族サービスを実施している。

→現在の日本では中古物件が無数に売られている。その中から優良物件を選ぶことができれば、低予算でそれなりの生活が送れるのだと。私は最悪勉強・読書ができればいいので、この生活でも十分だ。多分、「月に1回ソープに行くのが楽しみ」みたいな生活になるのだと思う(笑)。

 

そのためには、東京を離れ、地方都市に住むことを提案する。物価も安く、人口密度も低い。インフラも整い、東京にもすぐ行ける。パソコンや携帯電話が発達している現代、もはや地方都市に住むデメリットは少なくなった。

→近年はインターネット・スマホ等が発達したので地方在住のデメリットがなくなってきている。一方、生活費は桁違いなので、平時は地方・たまに東京といった二重生活を著者はオススメしている。

 

できるだけ借入を少なくすること。予算配分方法を考えて、過度にお金を使わないことが大切だ。そして、健康で長生きをして、平和な日々を送ることだと思う。適度にインフラの整った街に住むことも重要。ヒマなときは高速道路を走って楽しむ。そのためには、優良で激安な不動産と中古車を手に入れることがカギだ。

→無借金で健康に平和で送ることが幸せなことだと。そのために田舎過ぎない適度な田舎で中古の家と不動産を購入する。この本で主張したいことがまとまっている。

 

お金を稼ぐだけ稼いで贅沢をする人生ではなく、それなりの収入・支出でラクに生きれればいいという価値観の人にはドハマりする本かと。勇気がもらえる一冊です。

 

おしまい