一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

自分の能力が他人より優位な市場を見つける

私は大昔(20年以上前だ)、あるスポーツ競技の選手を志していた。プロとまでいかなくても、国体に出てやるぜくらいの勢いでトレーニングをしていた時期がある。

幼い頃から何かをコツコツやる根気・根性のようなものは人一倍あったので、誰よりも練習した自負はあったのだが、ある日、圧倒的に自分に才能がないことに気がついたので、スパっとやめた。1週間ほど休憩してから、試しにちょっと勉強を始めてみたら、あっという間に学校でトップになることができた。

 

また、社会人になってから、会社の経営方針を決める部署に何年かいたことがあった。実は、一度そうした仕事をやってみたくて自ら希望して異動をさせてもらったのだが、これがからっきしダメ。私には大局観を掴む才能がないのだ。結局、元々まったく興味のなかった営業の方がはるかに少ない労力・ストレスで成果が出るということがわかった。

 

こんな感じで、私は自分のやりたいことをやるというホリエモン的な生き方は一切せず(ホリエモンは大好きであるが)、自分が他人より得意で優位に立てる市場を見つけ、素直にそこにいることを選んだ。これが、少なくとも高い年収を獲得する(可能性を最大化する)という観点では最適解だと思う。圧倒的に、能力>>興味で動いた方がいいということだ。やりたいことは副業で小さくやったらいいんですよ。

 

あとは突っ込んでいく市場の規模も考慮に入れる。東証プライムの従業員数は約255万人。プロ野球選手は約900人。どちらを目指すか。この極端なケースであれば、どちらに可能性をかけた方がリスク・リターンのパフォーマンスが良いかは明らかだが、キャリアの分岐点に立った時に合理的な選択が取れない人も多い印象だ。

 

そう考えると、「やればできる」と無責任に教える親とか小学校の先生ってつくづく罪だなと思う。お前には無理だよ、でもこっちには少しは才能がありそうだからやってみろ、って言ってやるのが大人の仕事だと思うね。私は自分で気づけたけど、気づけない人が大半だろうからね。

 

おしまい