元外交官で作家の佐藤優さんが、NHKのロングインタビューで興味深いことを言っていた。
この記事、とにかく素晴らしいの一言に尽きるのでぜひ時間をかけて読んでもらいたいのだが、このレベルのクオリティの記事を無料・広告なしで公開してしまうとなると、まさしく昨今問題となっている民業圧迫につながるなと思いつつ、消費者としてはありがたい限りである。
さて、このインタビューの中で「サードパーティルール」という言葉が出てくるのだが、皆さんはこの言葉をご存知だろうか。
これは外交上の国際的慣習で「協力関係にある外国の情報機関等から提供された情報を、提供元の承諾なく第三者に提供してはならない」という情報交換に関するルールである。
たとえばAさんから聞いた情報であれば、「この話をBさんに伝えたいと思うんですけど、いいですか?」という了承を必ず事前に得る。それでダメだ、と言われたらその話はしない。あるいは「いいけども、私Aが言っていた話とはしないでください、ある人から聞いたとしてください」と言われたらそのとおりにする。
このシンプルなルールを守ることで、人間の信頼関係が構築され、ビジネスにおいても人脈は広がっていくと佐藤氏は言う。
このルール、職場でもすごい大事だなと思う。
前職でずっと信頼の置いていた数少ない同僚がいたのだが、知らないところで私がこっそり相談していたプライベートな話を他人に話していてそれ以来絶縁状態だ。
「言わないでくれ」と明確に言わなかった自分にも落ち度があるとは言え、情報を無断で流出させる人間とは二度と付き合う気になれないものである。
私もこのサードパーティルールを遵守したいと思うのだが、一番のリスクは飲み会だなと思う。
どの職場もそうだと思うが、面白いくらい同僚の悪口しか出てこないので、その中で自分の知っている秘密を漏洩しがちな環境と言える。
逆に情報を得る場と割り切れば有益とも言えるが、情報を暴露してあとあと他人からの信頼を失わないようにしたいものだ。
あとは秘密を他人から暴露されないよう、余計なことは言わずに基本的に黙っている賢さを身に着けないといけないね。
おしまい