僕は人から物をもらうのが嫌いです。
もしもらったら即座に同額レベルの品をお返しします。
「いただいたら返さないと気が済まない性格で」と添えて。
軽口を叩ける仲だったら「これで貸し借りなしな」とまで言っておきます。
一方、世の中には人から物をもらって喜んでいる人は非常に多いですよね。
僕も学生の頃まではまさにそうでした。
しかし、こういう人たちは本当に目先のことしか見えてないんですよね。
「タダほど高いものはない」
という言葉がありますが、この言葉は物事の本質を見事に表していると思います。
物を渡してくる人は脅威です。
会社で定期的にお菓子配って回ってるおばちゃんとかいませんか?
仕事に支障が出かねないので、その場では受け取りはしますが、こういう小さなものでも基本的にすぐお返しをしています。
なぜここまで拘るかというと、あとでお願いをされた時に断りづらくなるからということに尽きます。
そしてそのお願いは大体においてお菓子とは釣り合わないほどに面倒なお願いであることが多いです。
多分おばちゃんはそのことをわかってお菓子を配っているのだと思います。
お菓子のおかげで後々発生する面倒な仕事を引き受けてもらえる可能性が高まると。
一つ本を紹介したいのですが、ロバート・チャルディー二博士の『影響力の武器』という有名な本があります。
営業マン必読の書とも言われていて、相手を説得するための6つの戦略(心理的テクニック)が紹介されています。
その6つは返報
全部はここでは紹介しませんので、興味がある人はぜひ読んでみてほしいのですが、その中でも「返報性」は一番最初に紹介されている非常に強いテクニックとなっています。
「返報性」とは単純に「借りは返さないといけない」という感情のことをいいます。
われわれは社会的にそうするように教育されて育ってきていますから、この原理は非常に強く働きます。
しかも、心理学者による実験の結果、返報性は相手への好感度にかかわらず働くという恐ろしい結果も出ているのです。
だから、おばちゃんからのお願いも断れなくなってしまうんですね。
とにかく物をもらったごときで相手のお願いを断れなくなるのが嫌なので、極力物は受け取らないようにしているということです。
僕の好きな格闘家の青木真也も似たようなことを言っています。
彼は「貸しはつくるが借りは作らない」という信条で生きています。
僕も基本的にこのスタンスです。
alonewolf-memorandum.hatenablog.com
僕はこの原理の強さを知っているので、物を受け取らないと言いつつも、取引先には物を配りまくっているということをしています笑。
悪いやつですね。
「返報性」は本当に手っ取り早く数字を出すのに優れた手法です。
僕はあくまで営業にしか活用していないですが、詐欺師などの話術は大体上記6つのテクニックのどれかが土台になっているので、『影響力の武器』は悪質商法から自分を守るためにも読んでみてほしい一冊です。
話が広がりましたが、今日はこんなところで。
おしまい