今日は、先日の記事で少し紹介した正統派モテ本『口説きの経典』の書評を書きたいと思います。
著者のミステリーは、ナンパ師のバイブル『ザ・ゲーム』を書いたニール・ストラウスの師匠です。
いま世にある多くのナンパ本・モテ本は彼の提唱する恋愛メソッドに影響を受けていると言われており、日本の非モテ男子(僕含む)を熱狂の渦に包んだ恋愛工学の元ネタと言ってもいいでしょう。
それでは、まずアマゾンの内容紹介から。
美女は7時間で落とせ。本書ではナンパを段階的に分解し、各フェーズで使うテクニックや態度を変更するよう解説しているので、誰でも「成功するナンパ」の構造を理解することができるだろう。もちろん、そこで取るべき態度やその方法と仕組みについても詳細に説明している。
〈目次〉
前書き
はじめに
第1章 恋愛は学問である
第2章 進化の過程から恋愛を解き明かす
第3章 女とはどういう生き物なのか
第4章 「ナンパ」というゲームのルールと仕組み
第5章 フェーズA1――アプローチ
第6章 フェーズA2――女に関心を持たせる方法
第7章 フェーズA3――自分からも関心を見せる
第8章 会話のテクニック
第9章 セ●クスへ向けた総仕上げ――中盤戦・終盤戦
結論
用語集
監訳者あとがき
監訳者あとがきで、かつてカリスマナンパ師として一斉を風靡した公家シンジ氏が言っているように、本書は「現在ネットで出回っているほとんどすべての恋愛系・ナンパ系情報商材の原点」という印象。
「何かを学ぶときは原典に触れろ」という学習の鉄則のとおり、ナンパ初心者の方は、世に蔓延るモテ本・ナンパ本を読み漁る前に本書を読んでおくことは非常に有益かと。逆にこの本を読んだら、他の書籍はほとんどが本書の焼き直しと感じるかもしれません。
本書の中身は、前半は進化論・遺伝子学をベースに恋愛を解説します。これが類書にない内容で非常に面白い。何やら科学的な響きではありますが、堅苦しい内容ではなく、例えば「どうして男は女に拒絶されると辛いのか」という話を原始時代にさかのぼって進化論的に解説したり、そんなレベルです。後半はM3モデル(ACSモデル)について各フェーズの解説がなされています。総論から各論というのはよくあるモテ本・ナンパ本の流れですが、そのガチガチのロジカルさは圧巻です。
ただし留意しなくてはならないのが、後半の各論部分が、日本と違ってクラブやバーがその舞台になっていることがほとんどであることです。彼ら曰く、美女が単独でクラブ等にいるわけがない(必ず複数人で行動する)ということで、グループへのアプローチ方法がガッツリ指南されています。そういった意味では恋愛工学は日本の文化にうまく落とし込んでいる印象を改めて受けました。
本書の特徴的な部分をいくつか紹介します。
美女は7時間で口説ける
(第1章 恋愛は学問である)
海外のPUAによる理論が日本に上陸するまで、ナンパといえば、ストナンからカラオケやネットカフェに連れ込んで手軽なセックスに興じるようなイメージが主流でした。本書が唱えるメソッドはそういった価値観とは一線を画した再現性のあるメソッドとなっています。「再現性がある」とは、偶然の要素を極力排除しているとことを意味します。本書の手法を忠実に模倣する、すなわち男女の出会いからセック◯までのプロセスを踏むのに必要な時間が平均7時間かかるということです。
愛・富・健康が幸福をもたらす
(第2章 進化の過程から恋愛を解き明かす)
3つの各分野は他の2つの分野とも密接に結びついているとされています。女・金・健康という3つの分野に注目し、いずれか1つでも不足すると他の2つにも問題が発生するという、いつも僕の主張するこの生き様は実は本書から着想を得ていたのです。
関連記事:金と女と健康について
3段階の優先順位を間違うな
第4章 「ナンパ」というゲームのルールと仕組み)
「惹きつける」「なごみを築く」「口説く」の関係(図8)は、直感的で当たり前に見えるかもしれないが、世界中のPUA(ナンパの達人)たちがこれらの優先順位づけを間違うことで起きる問題に苦しめられ続けてきた。優先順位づけでよくある4つの間違いは次のとおり。
(1)最初に口説く――「終わり」から始める。
(2)最初になごみを築こうとする――「中間」から始める。
(3)惹きつけはするが、なごみがない――「始まり」からスタートしているが、「中間」を省略して「終わり」に直行している。
(4)惹きつけとなごみしかない――「始まり」からスタートしているが、「中間」で動けなくなる。
M3モデルの概説です。
紹介される具体例を見て、思い当たる内容ばかりでした笑。
詳しい内容と対処法については、本書を参照してほしいと思います。
さて、『ザ・ゲーム』では完全にイカれたお兄さんとして描かれていた著者でしたが、とんでもなくロジカルな内容に仕上がっています。
いまのところ、これ以上論理的に恋愛について解説されている本はありません。現代恋愛理論の原著に当たるという意味で、全恋愛プレイヤー必読の書です!読むべし!
おしまい