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【書評】『わいたこら。―人生を超ポジティブに生きる僕の方法』新庄 剛志

今日は直近に読んだ本のご紹介。

プロ野球選手・メジャーリーガーの新庄剛志氏著の『わいたこら』です。

 

わいたこら。 人生を超ポジティブに生きる僕の方法

わいたこら。 ――人生を超ポジティブに生きる僕の方法

 

まず、この本はタイトルが秀逸です。

ありきたりな『新庄剛志が20億円を騙し取られてもポジティブに生きられる理由』みたいな本だったら買わなかったかも。「わいたこら」とは九州弁で、驚いたり呆れたりした時に使う 「なんじゃこりゃ 」という意味に近い言葉のようです。「ナメてんのかこら」的な響きですが、違います笑。

 

さてさて、僕が大好きな野球選手はずっとイチローでした。イチローの哲学や姿勢に10代の頃から憧れ、ずっと注目してきました。

関連記事:イチローは僕のヒーローだった、いつも。

 

そんなイチローがメジャーに挑んだのと同じ年、実はもう一人海を渡ってアメリカに行ったプロ野球選手がいました。それが新庄剛志です。野球ファンを除いては、今の20代後半以上の人でないと、おそらく彼のことを詳しく知らないでしょう。彼のメジャー挑戦は短期間で終わりましたが、その後は北海道に拠点を移したばかりの日本ハムに戻り、日本一を達成しました。 しかし、そんな彼が、20億円を騙し取られ、バリ島で細々と暮らしているという話が近年話題になりました。(その時出た言葉が「わいたこら」)

本書は、幼少期からスター新庄になるまで、そして信用していた人間から20億円を騙し取られるまで、それでもひたすら明るくポジティブに生きる彼の(ぶっとんだ)エピソードが詰まった一冊になっています。

 

表紙の「しくじっても、めっちゃ幸せ」という帯にあるとおり、全体を通じて「どんな物事も解釈の仕方次第で肯定的にも否定的にも捉えらる」というメッセージを発信しています。例えば通勤電車が人身事故で遅れたとき、「会社に遅刻してしまって最悪だ」と思うか「ゆっくり本が読める、最高だ!」と思うか、物事自体に感情はなくそれに解釈を付けるのは人間だということ。こんなことは自己啓発本にありがちな話ではありますが、20億円を失った彼が言うと説得力が違います。

一寸先は闇じゃない。一寸先は、光だと思ったほうがいい。

何が起こるかわからないけど、何が起きても楽しくしてみせる。そうやって生きていれば、きっと楽しくなるから。

 

 

その他、いくつか印象に残った部分やポイントを引用。

 

計算しまくってから、今、思いついたかのように鮮やかにやってみせる。それが新庄流だ。

イメージがなかったのですが、考えて周到に準備するタイプということがわかるエピソード。有名な敬遠球サヨナラヒットについて、2日前の試合で「打とうと思えば打てるんじゃね?」と思ったのがきっかけで、前日のバッティング練習で敬遠球を打つ練習をしていたようです。

 

僕がプロ野球の世界で成功できたのは、 「自分が得意なことは何か」「自分が他の人よりも優れているところは何か」を考えに考えて、そこに集中して、人一倍の努力を続けたから。

本書を通じ、彼が天才ではなく「努力家」だったというエピソードがたくさん出てきます。野球選手としての素質だけなら自分よりすごい人間はいたけれど、「肩」と「足」と「守備」という自分の武器を誰にも負けないように努力して磨いたとのこと。

 

何度でも繰り返すけど、できないことはやらない。できることに集中する。できないことは、笑いに変えてしまえばいい。

「マイアミ」を「ミアミ」と読んで周りを爆笑させたエピソードが紹介されています。英語を覚えることはせず、チームメートに日本語を覚えさせていたというから驚きです笑。

 

 

ということで、新庄好きはもちろんのこと、今失意のどん底にいる人や自分の強みを見つけてセルフブランディングを確立していきたい人などにも超オススメの一冊だと思います!

 

●プロローグ 僕は見事に、しくじった
●1章 人生のどん底で、僕はこんなことを考えた
●2章 「スター・新庄」ができるまで
●3章 僕が持っていた運と、不思議な力
●4章 家族のこと
●5章 そして、今の僕のこと
●エピローグ これからの、僕のサクセスストーリー

 

わいたこら。 人生を超ポジティブに生きる僕の方法

わいたこら。 ――人生を超ポジティブに生きる僕の方法

 

おしまい