一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

命令をしない/顔をつぶさない

今日も『人を動かす』から。 

人を変える九原則の4つ目は、「命令をしない」というもの。

 

命令するのではなく、暗示を与えるのである。

人を説得する十二原則の7つ目にも「思いつかせる」というものがあった。人から押しつけられた意見よりも、自分で思いついた意見をわれわれは大切にするのである。

 

今回は、アメリカ合衆国の財政家・法律家・外交官であったオーウェン・ヤング氏のエピソードが挙げられている

彼は、周囲に対して「あれをせよ」「そうしてはいけない」などとは決して言わなかった。そうではなく、「こう考えたらどうだろう」「これでうまくいくだろうか」などといった具合に相手の意見を求めたという。

部下や後輩などの性格にもよるだろうが(最近は思考停止していて、指示待ちの人間も多いので)、命令をせずに自主的に考えてやらせる方が、相手の重要感を満たすことにもなり、反感の代わりに協力の気持ちを起こさせることができよう。

 

人を変える原則④
命令をせず、意見を求める。

 

続いて、人を変える九原則の5つ目は、「顔を潰さない」である。

これは、特にサラリーマンとして生きていくためには大事なスキルであると言える。上司や先輩の顔をつぶさないように気をつけるのは基本の所作である。

 

この回では『人を動かす』でもお偉方のエピソードが出てくる。今や世界最大の総合電機メーカーであるゼネラル・エレクトリック社は、かつてチャールズ・スタインメッツ部長の異動という微妙な問題にぶつかった(実名出しちゃうのがすごいw)。会社は新しい職名を設けて彼をその職に任命した。〝ゼネラル・エレクトリック社顧問技師〟というのがその職名である。といっても、仕事は別に変わらない。そして、部長職には、別の男をすえた。スタインメッツは喜んだという。そして、もちろん会社の重役たちも喜んだ。気難し屋と言われているスタインメッツ氏を、顔を立てることによって、無事に動かすことができたからだ。

 

たとえ自分が正しく、相手が絶対に間違っていても、相手の顔をつぶすことは、相手の自尊心を傷つけるだけに終わる。人を説得する十二原則の2つ目に「誤りを指摘しない」という原則もあった。誤りを指摘されると、相手は自分の自尊心を傷つけられたと思い、余計に意地を張ってしまうのだ。

あなたが会社員で、自分が会社から懲戒されたりする恐れがあるなら噛みつく必要もあろう。ただ、少し怒られるくらいであれば我慢して終わらせてしまうのが得策であることも多い。上司もわかっているから、あとで便宜を図ってくれるはずだ。貸しを作るのである。

以前、ある顧客に上司に確認の上で重要な連絡をしたところ、それが間違っており、大騒ぎになったことがあった。そして僕は土日を使って東北まで謝罪にいく羽目になった。しかし、決してそのミスを「上司の指示」とは言わなかった。翌月から、僕の営業目標が下方修正されていた。

 

人を変える原則⑤
顔を立てる。

 

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

 
 

 

おしまい