一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

心の中から悩みを追い出す方法

前回まで、『道は開ける』から、「悩みに関する基本事項」と「悩みを分析する基礎技術」について取り上げてきた。今回からは、具体的な悩みの対処法について6回にわたってご紹介していく。

 

そして、今回ご紹介するのは、おそらく『道は開ける』の中でも、最も大切な法則の一つである、心の中から悩みを追い出す方法である。

 

まず、カーネギーのクラスのある受講生の例を見てみよう。

彼の家庭は、一度ならず二度までも悲劇に見舞われた。まず、彼は5歳になった最愛の娘を失った。続いて、10カ月後に産まれた女の子が、生後5日目に死んでしまった。この二度にわたる愛娘の死を、平然と耐えられるわけがない。

当然、彼はそれを受け止めることができなかった。不眠症になり、食事ものどを通らず、神経はすっかり打ちのめされ参ってしまった。ついに、彼は医者通いをするようになったが、医者からのアドバイスや投薬も何ら効果はなかった。

ところが、彼にはもう一人、4歳になる男の子がいた。この子のおかげで、彼は難局を切り抜けることができたのだ。

ある日の午後、彼がいつものように腰を下ろして沈み込んでいると、その男の子が「パパ、ボートを作って」と頼んできた。彼はボートを作るどころか、何をする気分でもなかった。しかし、息子は引き下がらなかったため、とうとう彼は聞いてやらないわけにはいかなくなった。 結果、おもちゃのボートをつくるのに3時間ほどかかった。だが、それが完成に近づくにつれて、彼はあることに気づいた。このボートを作るのに使った3時間というものは、彼が直近数カ月間ではじめて味わった精神的な休息と安らぎだったのだ。

つまり、彼は、忙しくしている時には、悩んだりしていられないという法則を発見したのだ。それから彼は、いつも忙しくしていようと決心した。 彼はその後、活気に満ちた生活を送った。

 

「忙しい状態に身を置く」という極めてシンプルな方法で、なぜ不安をぬぐい去ることができるのだろうか?

その理由は簡単で、どんなに優秀な頭脳の持ち主であっても、人間は一度に「一つのこと」しか思考できないからだ。

本書の例として挙げられているとおり、以下のことを実際にやってみるといい。

それは、「自由の女神」と明日の朝のあなたの行動予定とを同時に思い浮かべることだ。

これを実際やってみると、二つを「交互に」考えることはできても、同時に考えることはできない。これと同じことが、感情についても当てはまる。一方で、ウキウキした気分で何かに夢中になっていながら、もう一方では、悩みのために意気消沈するという二つの状態にまったく同時に身を置くことはできないのである。

 

ここで一つ注意点。われわれの多くにとって、仕事に追われる勤務時間内なら忙しい状態に身を置くことは、それほど難しくはない。だが、仕事が終わったあとの時間、これが危険なのである。思う存分にアフターファイブを楽しみ、幸福感を味わうべき時なのに、悩みの原因となるふさぎの虫が攻めてくるのはこういう時なのだ。 

 

この点、ノーベル文学賞受賞者のジョージ・バーナード・ショーはの言葉は、まことに的を射ている。

「みじめな気持ちになる秘訣は、自分が幸福であるか否かについて考えるひまを持つことだ」

裏を返せば、そんなことを考えないことだ。とにかく動こう。

 

あのホリエモンも、以前紹介した『時間革命』の中でこのように述べている。

過去や未来について考えないようにするには、どうすればいいのか?これも答えは簡単だ。 極限まで予定を詰め込んで、忙しくするのである。

 

僕は寝ている時と酒を飲んでいる時以外は常に何かするよう心がけている。ブログ書き、ジム、女の子とのデート、読書に勉強。そしてスキマ時間にはオーディオブック・・。

皆さんも、仕事以外の時間も可能な限り予定を詰め込み、さらにスキマ時間も意識して何かするように心がけよう。 

  

悩みの習慣を早期に断つ方法①
<心の中から悩みを追い出すには>
◉忙しい状態でいること。悩みを抱えた人間は、絶望感に打ち負けないために、身を粉にして活動しなければならない。
 
道は開ける 新装版

道は開ける 新装版

 

  

 

 おしまい