一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

営業マンとして働く会社の選び方

前々回の記事で、高い年収を得るには利益率の高い業界を選び

alonewolf-memorandum.hatenablog.com

 

前回の記事で、楽に仕事をするなら、法人ルート営業を選ぶ

alonewolf-memorandum.hatenablog.com

 

という話をしてきた。

場所選び(業界)でほぼ年収が決まり、その中ではどのような職種についても大して差がつかないので、ならば楽な職種を選んでいこうというロジックであった。

 

さて、今日は営業職を選ぶことになった人に対して、会社の選び方について説明したいと思う。

既に業界選びでほぼ年収が決まっている関係上、ここでも「楽かどうか」という視点が大切である。

 

これについて、まずは営業マンの限界について考えてみることにする。

営業マンの仕事について、3C分析をしてみよう。

ご存知の方も多いとおもうが、3C分析とは、Customer(市場・顧客) Competitor(競合)Company(自社)の3つのCを分析し、企業を取り巻く環境を明らかにし、今後の経営戦略を導き出すためのフレームワークである。

営業マンがこれらの3要素のいずれをコントロールできるか考えてみよう。

 

 

正解は、

 

何一つコントロールできない

 

 

したがって、営業マンは、ある会社に入った瞬間に、その商品が売れるか売れないという運命はほぼ決している。あなたの外見や能力などほとんど関係ないのだ。だから、売れても尊大になってはいけないし、売れないからといって卑屈になる必要もない。その結果のほとんどはあなたの努力や怠慢がもたらしたものではないからだ。

だって、われわれ営業マンは、指定の戦場(市場)において、指定の対戦相手(競合)と指定の武器(商品)を与えられて戦うしかできないのだから。

経営戦略を立てるわけではないから、自分で戦場(市場)を変えることはできないし、商品開発担当でないから、自分で武器(商品)を作り出すこともできない。もちろん、特定の対戦相手(競合)を避けることもできない。

なのに、ブラック企業では、上司に後ろからバチバチと尻を叩かれ、一歩でも多く前進させられ、一回でも多く攻撃することを強いられる。だが、相手がマシンガンで武装しているのに竹槍で戦いを挑んでいるのなら、当然そこに勝ち目はない。

 

ということで、

①市場が伸びそう

②競合が少ない(弱い)

③商品力が強い

営業職として働くのであれば、こうした要素が会社選びのポイントになる。

 

その中でも、

商品力

が圧倒的に重要である。 

 

実は、「市場が伸びそう」とか「競合が少ない」といった話は業界を選び終わった段階で既に決まっているので、どちらかというと業界選びの際に気をつけておくべき話になる。

 

「いやいや、営業には人間力で決まる要素が多くあるんだよ」

という反論が聞こえてきそうである。

 

なるほど、それも一理ある。

「一匹狼さんのファンだから契約した」

なんとも営業マン冥利につきる言葉で、これを顧客に言われたら至極の喜びである。

しかしながら、翌月、もし自社と同等の内容で、競合他社から半額の商品が出てきたら、その顧客は簡単に手のひらを返すだろう。現実はそんなもんである。

営業マンの人柄なんて、顧客にとって商品で優劣付けがたいときにのみ作用する、プラスアルファの要素に過ぎないのだ。

それなのに、そんなちょっとした部分だけで常に勝負させられるとなるとかなりキツい。商品力の差を営業マンの営業努力で埋めよう、補おうと、本来できないことをしようとするからキツいのだ。

 

そして、営業マンにとって何より辛いのは、自社の商品・サービスに自信が持てないことである。

商品・サービスを売るのが仕事なので、当然毎日商品と触れ合うし、商談相手にプレゼンをしないといけない。

しかし、自分がいいと思えないものを心の底から「いい」と言える営業なんていない。きっと顔をしかめながら、苦笑を浮かべながら、プレゼンをしているのではないか。

だから会社はがんばって洗脳をしかけてくる。社名は出せないが、知り合いの勤める某金融機関では、日本一高い金融商品を社員に売らせるために、毎朝毎朝朝礼でビデオを見せて「素晴らしい商品だ」と社員を洗脳しているらしい。

そうやって、短期的には自分を騙せるかもしれない。だが、自分が信じていないものを売り続けるのは、長期的には自分の心を殺す行為である。その商品・サービスを売るために、自分にたくさんの嘘をつかないといけない。そうやって、人間の心は死んでいく。僕はそんなビジネスパーソンにはなりたくない。だから、商品力の強い会社に入ること、これが楽な営業マンになるシンプルで最強の作戦なのだ。

 

 

おしまい