一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

ある診療所の心理療法の話

今日もD・カーネギー『道は開ける』を勝手に復習するシリーズ。

本日も引き続き、PART7「疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法」から。

3章目のタイトルは「疲労を忘れ、若さを保つ方法」とある。

似たような章のタイトルが続いているが、本章の内容は、『道は開ける』(初版発行1944年)の執筆当時に、ボストン診療所で週に一回開かれていた医療教室(「応用心理学クラス」という名の心理療法)の内容が紹介されている。なので、いつもどおりあまりタイトルが上手ではないなと感じた。

いずれにしても、その医療教室がD・カーネギーが一章を割くほど素晴らしい実績をあげたようなので、本ブログでもその内容を紹介しておく。ちなみに、ボストン診療所が今でも現存しているかどうかは調べてみたがわからなかったのが残念である。

 

1.悩みを信頼できる誰かに打ち明けること

これがボストン診療所で用いられている主な方法である。われわれは経験から、誰でも他人に自身のことを話すことによって解放感を味わえることを知っているだろう。相談相手は、親戚・医師・弁護士・牧師・神父などが勧められている。

だが、本書でも書かれているが、注意点は泣き言や愚痴と相手が感じ、鼻つまみものになってしまう可能性があることである。

やはり、あくまでネガティブな感情のアウトプットについては、自分との対話である「日記書き」をオススメしたい。

alonewolf-memorandum.hatenablog.com

 

 

2.感銘を受けた作品のために、ノートか切り抜き帳を用意すること。

読んでいて感動したり、印象に残った一節を一冊のノートに残しておくことを勧めている。そして、気が沈んだ時にこれを見返すのだ。 僕も読書ノートをつけているが、読んだ本の内容をすべて覚えておくことなど不可能なので、一冊にまとめておくと非常に復習の効率がいいのだ。

 

 

3.他人の欠点にいつまでもこだわらないこと。

嫌になった相手の長所を全部書き出し眺めてみることを勧めている。まあ、無理して好きになる必要はないと思うので、気にしないようになれればいいかと。『嫌われる勇気』とかオススメ。

 

 

 

4.近所の人々に関心を持つこと。

自分には一人の友人もいないと思っているのなら、自分の生活に関わりのある人々に興味を深め、話しかけようという文脈で使われている。近所のコンビニやクリーニング屋の店員とはすぐ仲良くなれるだろう。相手も自分のルーティンにうんざりしているので、話相手がほしいはずだから。

まあ、そもそも、孤独が苦でない人は、無理して他人に関心を持つ必要はないだろう。

 

 

5.今晩ベッドに入る前に明日のスケジュールをつくること。

活動の優先順位をつけるためにスケジュールを手帳に書いておくことは非常に重要だろう。「緊急でない」が「重要」なことにどれだけ時間が割けるかを意識しよう。日々意識しないと人間は「重要」なことよりも「緊急」なことを優先してしまいがちなので、いつも手帳を手元に置き、開く癖をつけることは大事。

手帳術については、この本がよかった。

 

 

 

6.最後に、緊張と疲労を避けること。リラックスすること。くつろぐこと。

前回と同様、リラックスすることの重要性が書かれている。身体をほぐすことで悩みも追い出せるというのは正しいと思う。僕も家にいる時はヨガマットを敷いてストレッチをすることを習慣にしている。

以下、本章で紹介されている運動法を引用しておく。

a.疲れたと感じた時には床に横たわって、全身をできるだけ伸ばす。転がってもよい。一日に二回行なう。

b.目を閉じる。そして、次のようなことを言ってみるのもよいだろう。「太陽が頭上で輝いている。空は青く澄んでいる。自然は穏やかで世界を支配している。私は自然の子として宇宙と調和している」。あるいは、もっといいことは、祈ることだ!

c.もし時間の余裕がなくて横になれないなら、椅子に腰をかけていても、ほとんど同じ効果を上げることができる。くつろぐには堅くて背のまっすぐな椅子が最適である。エジプトの座像のようにまっすぐに腰をかけ、手のひらを下にして、ももの上におく。

d.さて、ゆっくりと爪先を緊張させ、それからゆるめる。足の筋肉を緊張させる。そしてゆるめる。全身のあらゆる筋肉を下から上へ同じ運動をさせる、そして首に及ぶ。頭をフットボールのように力強く回転させる。その間、筋肉に対して「休め……休め」と言い続ける。

e.ゆっくりと安定した呼吸で神経を鎮める。深呼吸をする。インドのヨガの行者は間違っていない──リズミカルな呼吸は、神経を鎮めるには何よりもよい方法の一つである。

f.顔のしわやとげとげしさに気をつけて、それをなくそう。額の八の字や口元のしわを伸ばすこと。日に二回そうすれば、エステティック・サロンへ行ってマッサージをしてもらう必要はなくなるだろう。しわはすっかり消えてしまうだろうから!

 

   

道は開ける 新装版

道は開ける 新装版

 

 

 

 おしまい