一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

【書評】『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』日野瑛太郎

こんばんは。

今日は数年前の写真を見る機会があり、ずいぶんと眉間のシワとほうれい線が深くなったな~、としみじみ自分がおっさん化していることを認識。いつまでも恋愛市場に残り続けるためには、EDにならないことに加え、外見の若さも大切なので、アンチエイジングに勤しみたいと改めて思いました。

 

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1.時事ネタピックアップ

 

金融 三菱UFJ銀行がある手数料を「330円」に値上げ予定

https://bit.ly/3glznAL

 

ある手数料とは「公金収納代行業務」で、税金や社会保険料を、役所の窓口ではなく銀行の窓口でも支払ができるサービスのことである。

マイナス金利のおかげで、銀行は本来業務の貸付も儲からないし、高齢者の潤沢な預金を国債に振り分けて金利で食べるというビジネスモデルも破綻し、投資信託や保険の販売をはじめとした手数料で稼ぐしかないから、先日のみずほの通帳発行手数料もそうだが、いろいろな業務の手数料が上がる方向になると思われる。

とはいえ、金融機関も営利企業なので、採算の合わない業務の手数料が上がることはやむない部分もあるだろう。今回の話でいえば、早く公金の支払をオンラインへ移行すべきなのだ。

 

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2.本日の一匹狼語り

 

【書評】『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』日野瑛太

 

今日は先日読了した本のご紹介。 

あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。

 

「たかが仕事」に、殺されたくない。これがぼくらの「脱社畜」戦争。

というキャッチフレーズの文字通り「脱社畜本」。肉厚な自己啓発本である『思考は現実化する』を読んでいるのだが、そればっかりだと疲れるので、気分転換に読んだ。文章も簡潔で読みやすいので、数時間で読める。

 

内容は、1章で日本人のおかしい働き方(残業が当たり前・有給休暇が取れないなど)について、2章・3章で社畜の分類と社畜が生まれるメカニズムについて、そして4章では脱社畜のための8つのルールが紹介されている。

全体の論調として、「脱社畜」を会社から脱出して独立することを目的とするのではなく、会社を続けながら会社を絶対視せず理不尽な労働環境を改善することを目的としているので、職場に不満はあるが今すぐに会社をやめようとは思っていない大半のサラリーマンにオススメができる内容になっている。

 

<本文引用>

結局、日本的雇用システムとは、会社に一生を保証してもらう代わりに、「社畜」になることを受け入れるというシステムでもあったわけです。

かつては終身雇用・年功序列賃金という恩恵の対価として社畜となることを受け入れていたわけであるが、現在は多くの企業でこうした日本型雇用システムの存続が困難となっている中、社畜という文化だけが残っている状況になっている。全体的に社畜についての基本的な記述がわかりやすくてよい。

 

どんなに経営者目線を持って仕事をしたところで、従業員はどこまでいっても従業員、しょせんは雇われにすぎません。本当に経営者目線を持って経営者並みの働きをしたとしても、給料は依然として雇われのままです。雇われ分の給料しかもらえないのにもかかわらず、仕事だけは経営者と同じような気持ちでやれと言われたら、それは割に合わない仕事をやれと言われていることと一緒です。

よく「経営者目線を持て」といった言葉を聞くが、およそ経営者と労働者は利益相反の関係にあり、労働者の権利と言われているもの(残業代・有給休暇・福利厚生など)は「経営者目線」では厄介なものなので、労働者に「経営者目線」を持たせるということは、会社にとって都合のいいようにしかならない。まったくもって正論である。

 

結局、大事なのは「みんなと同じ」になることではなくて、「自分にとっていちばんいいように行動する」ということです。もっと自分自身の価値観を大切にするようにしなければなりません。それができないと、なんだか「みんなに合わせる」ことばかりにエネルギーを使い続けて、釈然としないまま人生を終えることになります。

本書の結論。大切なのは、世間の基準ではなく自分の基準で生きるということ。日本企業の同調圧力に屈せず、自分の価値観に正直に、自分のために生きるということ。言葉にすると当たり前のことだけど、これが実現できている人は少ないんじゃないだろうか。

 

著者の日野瑛太郎氏は「脱社畜ブログ」管理人で1985年生まれ。東大在学中に起業するもあえなく失敗。結局、嫌で嫌で仕方がなかった就職をすることになる。このような経営者と労働者の双方の経験を活かし、「脱社畜ブログ」を開設。本書の他にも著書に『脱社畜の働き方』などがある。

「おわりに」にも書いてあるとおり、この本に書いてあることはすべてよく考えると「あたりまえ」のことにすぎない。しかし、こういったことが日本では「あたりまえ」になっていないということが問題だと指摘している。

本書に似たような言説はネット上に溢れているし、同じようなことを書いているブログを見かけることも多い(このブログも広義ではそうだ)が、その原点となるエッセンスが書かれている。この本の出版は2014年で、なんと電通の過労死事件の前に出版されている。そういった意味で、「脱社畜」の先駆け的な本と評価していいだろう。

すべての社会人、特に就活生&20〜30代のサラリーマン必読の書と言える。

 

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3.一匹狼の好きな言葉 

 

【批判を恐れることは成功を恐れることだ】

数え切れないほど多くの人々が、年齢を問わず、他人への憚りということで自分の一生を台無しにしてしまっている。これも批判を恐れてのことである。どんなに相手が立派で、高潔な人物であれ、あなたの正当な希望をあきらめさせたり、あなたが自由に生きる権利を侵害することはできない。

──ナポレオン・ヒル『思考は現実化する』より

 

 

 

おしまい