「他人と比べるのはやめよう」
これは多くの自己啓発書で書かれていることですが、実際に実行するとなるとなかなか難しいものです。
人間はつい他人と比較してしまう生き物で、サラリーマンというムラ社会にいれば尚更のことでしょう。
比較して落ち込むくらいならまだよいですが、他人を引き摺り下ろしたり、攻撃することもしばしばです。
今日は上手な「比較の仕方」について書いてみたいと思います。
上方比較
まず、自分より上の人と自分を比較する心理を「上方比較」と言います。
結論から言うと、他人と自分を比べると、確実に不幸になります。
自分より優れている人は、この世の中にいくらでもいるからです。
自分より「仕事」「勉強」「頭の回転」「スポーツ」「収入」「外見」が良い人・高い人は山ほどいるのです。まさしく、上を見たらキリがないという話です。
狭いサラリーマン社会では、出世レース無敗で社長になる以外ありません。上場企業で社長になれる確率は1500分の1とも言われていますから、相当な運にも恵まれないといけません。
下方比較
一方、自分よりも下の人と自分を比べて、あいつよりはマシだと思う心理を「下方比較」と言います。
たとえば、大学受験を終えた高校生が「自分は早稲田には落ちたけど明治には合格した。あいつはFランにしか受からなかった。それよりはマシか」といった具合に。
これをやることで、ダメな自分に対する「ささやかな自己肯定」が得られるわけです。
しかし、自分より下の人を見て安心すると、成長が止まります。頑張ろうというモチベーションが湧かなくなるからです。
上手な比較①(過去の自分と比較)
ではどのようにすればいいのでしょうか。
まずは、他人と比べるのではなく、「過去の自分」と比べましょう。
仕事ができなった頃の自分、モテなかった頃の自分、太っていた頃の自分、勉強していなかった頃の自分。
あなたが正当な努力をしていれば、少しは成長しているのではないでしょうか。
他人と比べると「自分のマイナス部分」ばかりが浮かんできますが、過去の自分と比べると「自分の成長した部分」にフォーカスできます。
そうした自分のポジティブな面を実感できると、さらなる成長に向けたモチベーションも湧いてきます。
上手な比較②
それでもうまく自分に自信が持てない時は、場所的・時間的に抽象化して下方比較しましょう。
具体的には、今の日本を海外の国や過去の日本と比較します。
すぐ近くの大国や半島の某国では言論の自由すら与えられていなかったり、遠くアフリカでは多くの紛争・内戦が継続されていて、明日の命の保障すらない人々がたくさんいますよね。
また、たった70数年前には大東亜戦争真っ只中で、その時代に産まれていたら、あなたが男性なら徴兵されて、インパール作戦に参加させられたり、ガタルカナル島に送られたかもしれません。
これらと比べてあなたが今不幸という可能性はほぼゼロでしょう(もしそう考えるなら被害妄想の可能性大)。
だから、どうしても自信が持てずに落ち込んでいる時は、周りにいる具体的な誰かではなく、場所と時間を抽象化して下方比較することをオススメします。
おしまい