一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

【成功へのメモ】『スタバではグランデを買え!』

成功本まとめシリーズ。

スタバではグランデを買え!

スタバではグランデを買え!

著者

吉本佳生
経済学者(エコノミスト)。1963年三重県紀伊長島町生まれ。名古屋市立大学経済学部卒業後、住友銀行勤務を経て、名古屋市立大学大学院経済学研究科満期退学。大学や企業研修などで、生活経済学、国際金融論、マクロ経済学ミクロ経済学、経済数学、国際経済学ファイナンス論などの講義・演習を教える経験をもつ。

要約

スーパーがあり、店に入ってすぐの棚では、有名飲料メーカーの500mlペットボトル入りのお茶が98円で販売されている。ところが、店の前の自動販売機でも同じお茶が売っていて、その価格は150円。移動に10秒もかからない場所で98円で売られているお茶が、自動販売機では150円で売られていて、しかも結構売れている様子である。ともに冷やしてあり、もちろん同じ味。こういうシーンはよくお目にかかるだろう。
同じモノがすぐ近くで異なる価格で売られていて、どちらで買う人もそれなりにいるのはなぜか? 自動販売機で150円で買ってしまう消費者は合理的ではないのか? じつは、150円で買うことが合理的だと思われるケースも多いが、それはなぜか? 答えは、実際に支払うお金以外にもわれわれは様々なコストをかけていて、買い物にかかる手間(時間や労力)も大きなコストになるので、そうした要素を天秤にかけて判断しているのだ。本例だと、スーパーが混雑していて購入するまでに時間がかかりそうだと判断すれば、手軽に自動販売機で購入することもあるだろう。

本書は、身近な「モノやサービスの価格」について、「消費者の視点」で理解することを目的にした経済の入門書である。しかも、徹底してひとつのコンセプト(「コスト」)に絡めて解説がなされている。

われわれ消費者にとって大変身近なテーマを扱っており、同僚や恋人との会話のネタ本としても使えるであろう。

ポイント

せっかくなので、本書のタイトルにもなっている「スタバ」のコーヒーについても取り上げてみたい。

 

一番小さいSサイズ(ショート)とその2倍が飲めるGサイズ(グランデ)の価格差は、どんな飲み物でも100円ちょうどになっている(注:発刊当時。現在は「ベンティ」というサイズがあり、価格差も100円ではない)。

こうみると明らかにGサイズを購入するのが得と言え、一見不思議に見えるこのような価格設定も、コスト面から考えると合理的に説明できる。なぜなら、カフェが1杯のコーヒーを提供する際にかかるコストのうち、コーヒー豆やミルクなどが占める割合は小さく、一方で、店員の手間については、客がSサイズ2杯分の量をGサイズとして1回で注文することで、その追加分の店員の手間はほとんど省かれる。したがって、その節約メリットを客と店員で分け合うことで、双方が得をできるというカラクリなのだ。

 

なお、本書はペットボトルのお茶とスタバのコーヒー以外に、デジカメ・映画のDVD・携帯電話・100円ショップ・子供の医療費などをテーマに各章取り上げている。

2007年発行ということでややテーマが古かったり、消費税がまだ5%として計算されていたりするが、消費者から見た「取引コスト」という本質的な議論は時代が変わっても変わらないので、日々買い物をしない日はほとんどないわれわれが、モノ・サービスの値段を考える際の大変参考になる一冊と言えるだろう。

 

ビジネス書は、全文を一度読むより、たった一つのポイントでも毎日読み返して自分の血肉にすることが大事。響いた点があればあなたの読書メモにも蓄積を。

 

おしまい