昨日はゲームについて触れたが、引き続きゲームの魅力を語りたい。
本ブログにも何度か登場しているが、成毛眞氏をご存知だろうか。元日本マイクロソフト代表取締役社長、現在は投資家、書評家として活躍する人物である。彼の魅力は、一流のビジネスパーソンでありながら、効率や常識を平気で脱ぎ捨てる「大人げない大人」であることだ。
世間は「大人ならもっと生産的なことをすべきだ」と説教する。しかし成毛氏は真逆である。ゲームに数千時間を費やし、読書は年間数百冊、しかも趣味はドローンにロボット工学。その振り切った生き方は、凡人が持つ「時間の使い方」の概念を根底から覆す。
本記事のテーマはこうである。なぜ一流の経営者がゲームにハマり、それがどう仕事に活きるのか。そして、私自身が実践する「ゲーム×学習」という独自メソッドが、効率的なインプット術となり得るのか。その答えを、成毛氏の背中を追いながら探っていく。
伝説の「ゲーム廃人」エピソード:成毛眞氏の狂気
成毛氏の著書を読んでいると、彼のゲームへの没入ぶりが尋常ではないことがわかる。
有名なのは、オンラインRPG『ファイナルファンタジーXI』に4,000時間を費やした話である。社長在任中、彼は社長室でコントローラーを握り続けた。極めつけは、部下がゲーム内で成毛氏のキャラクターを探し回り、そこで業務連絡を行ったというエピソードだ。リアルとバーチャルが完全に逆転している。
さらに凄まじいのは、ゲームに没頭しすぎると判断した瞬間、自らゲーム機を破壊するという徹底ぶりである。これは依存ではない。「没頭」を自らコントロールする覚悟の表れである。
この狂気的な集中力こそが、ビジネスの突破口を作る。成毛氏は、ゲームという「余白」の中で、脳をフル回転させる訓練を積んできたのだ。遊びに全力を注げない人間が、仕事で本気になれるはずがない。
世界を攻略するトップランナーたちの「ゲーム脳」
ゲームを愛するのは成毛氏だけではない。世界を席巻する異能たちもまた、筋金入りのゲーマーである。
「論理的思考の訓練場」とする、ひろゆき氏
2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は、かつて「朝起きてから寝るまで、食事中もずっとゲームをしている」と語るほどのゲーム好きだ。彼はシミュレーションゲームや戦略ゲームを好み、「ゲームは最小の労力で最大の効果を出すための論理的思考を鍛える、最高のツールだ」と断言する。成毛氏と同様、彼にとってもゲームは現実逃避ではなく、脳を最適化するための「メインフィールド」なのである。
「人生はシミュレーションだ」と語る、イーロン・マスク氏
イーロン・マスク氏は現在進行形のガチ勢だ。12歳で自作ゲームを販売したことに始まり、今や多忙を極めるCEOでありながら、超高難易度のアクションRPG『Diablo IV』で世界ランキング上位(トップ20以内)に名を連ね、世界中のゲーマーを驚愕させた。彼にとって現実世界を攻略することは、ゲームのルールをハックし、物理法則というプログラムの限界に挑むシミュレーションの実行と同義なのである。
【一匹狼メソッド】単純作業ゲーム×オーディオブックという「超効率的インプット術」
私自身も、ゲームを学習に活用している。具体的には、単純作業系のゲームをプレイしながら、オーディオブックで知識をインプットするという方法である。
なぜこれが効果的なのか。脳科学的に説明しよう。
人間の脳には「デフォルト・モード・ネットワーク」という機能がある。これは、何もしていないときに活性化し、記憶の整理や創造的思考を促す回路だ。しかし、完全に何もしない状態では、逆に意識が散漫になる。ここで「軽い手作業」が効いてくる。ゲームのレベル上げや素材集めといった単純作業は、脳の一部を適度に占有しながら、残りのリソースを学習に振り向けることができるのだ。
さらに、ゲームは「マインド・ワンダリング」(「心のさまよい」「注意散漫」のこと。今やるべきタスクから意識が離れて、無関係なことを考えてしまう現象を指す)の防止にも役立つ。オーディオブックだけを聞いていると、気づけば別のことを考えている。しかしゲームが「アンカー」となることで、集中が途切れない。手を動かし続けることで、情報が記憶として定着しやすくなるのである。
私はこの方法で、ビジネス書や自己啓発書の内容を血肉にしている。レベルが上がると同時に、知識も蓄積される。
なぜクリエイティブな人はゲームを愛するのか?
成毛氏をはじめ、クリエイティブな人々がゲームを愛する理由は明確である。
第一に、失敗のコストがゼロであることだ。ゲームでは何度死んでも、やり直せる。この「トライ&エラー」の繰り返しが、現実世界でのレジリエンスを鍛える。失敗を恐れない姿勢は、ゲームの中で培われるのである。
第二に、多動的な思考の訓練になることだ。成毛氏は、複数のことを同時並行で楽しむことを推奨している。ゲーム、読書、投資、趣味のプロジェクト。これらを行き来することで、脳は常に刺激を受け続ける。単一のタスクに固執する人間より、はるかに生産性が高い。
第三に、フロー状態の訓練である。ゲームは、意図的に「ゾーン」に入るスイッチを持つための最良のツールだ。没頭する感覚を何度も体験することで、仕事でもその状態を再現できるようになる。
コントローラーを持って、未来を創りに行こう
遊びに本気になれない人間に、面白い仕事はできない。
成毛眞氏の生き方は、そのことを雄弁に物語っている。彼は社長室でコントローラーを握り、数千時間をゲームに費やし、そしてその経験を糧に、次のステージへと進んでいった。
私も今日、全力で遊び、全力で学ぶ。ゲームというツールを使いこなし、知識を蓄積し、人生というゲームを攻略していく。
あなたも、コントローラーを握ってみてはどうだろうか。それは、あなたの「人生というゲーム」を攻略するための、最初の一歩になるかもしれない。
おしまい
