先日、久々に会社の「同期飲み」なるものに参加した。
それはもう、何年かぶりの参加であった。
同期飲みに参加していなかった理由。
入社数年目に参加した際に「忙しい自慢大会」になっていることに嫌気がさしたからだ。
かくいう僕も大人になったわけだし、久しぶりに同期の「成長した顔」を見に行くことにした。
こんな僕によく声がかかったものだ、と感謝の念を抱きながら新橋の居酒屋に向かう。
いわゆる「赤提灯」である。
昔は銀座や丸の内で背伸びして飲んでいたのに、所帯持ちも増えいつの間にか新橋での飲み会が増えてきた。
僕らはもう、れっきとした「オッサン」なのだ。
さて、僕は「会議に遅れても飲み会には遅れない」を基本スタンスとしている。
ついては、上司に断ったうえでその日は早帰りをさせてもらった。
(18時スタートとかなり厳しい時間であったにもかかわらず)
とはいえ、会場まで少し距離があったため、15分ほど遅刻をしてしまった。
しかしながら、急いで会場に入ると、まだ先には一人しか来ていなかった。
先に来ていた彼は東大卒の変わり者(いい意味で)で、勉強道具を持参してシコシコと勉強していた。
彼とは新人時代、休みの夜にたまたま独身寮の近くの道でバッタリ会って晩飯を食べてから、割と仲良くしている男だった。
彼は変わっているが、仕事以外の時事問題・プライベートな話題など多彩な話ができるから好きだ。
あまり外見に気を遣わないがゆえに女性と疎遠なようだが、彼みたいな素晴らしい男性にはいい女性と出会ってほしい。
そんな彼とビール&枝豆をつつきながら15分ほどくだらない談笑をした。
とても楽しい時間であった。
その後「自称忙しい方々」が続々と現れて、会は盛り上がっていったようだ。
彼らの登場の際の合言葉は「わりー忙しくてさ~」「上司に捕まっちゃってさ~」である。
僕が国の展望やナンパの話など、仕事にまったく関係ない話を一生懸命する中、
同期たちは社内政治の話に夢中であった。(僕は完全に蚊帳の外)
彼らの中で非常に盛り上がっていた話題は、以下3点に集約される。
①上司・先輩の悪口
②後輩・新人の悪口
③社内政治の話
何時間も話続けられる彼らの引き出しの多さには本当に感服するばかりだった。
「新人の〇〇が使えない」
とか
「俺は××さんと仲がいい」
ほんとどうでもいい・・・笑
社内政治の話と悪口は切っても切れないものだ。
マイナスな発言は伝染する・・・
気分が悪くなった。
ひどいパターンになると、
「△△常務派閥が干されている」
「☆☆は社長と$$部時代一緒でその温情で部長に上げてもらった」
それお前に関係ねーから!笑
また、せっかく始めてくれたプライベートの話もこんな話ばかり。
①忙しい自慢
②不健康自慢
③鬼嫁自慢
①は自分の部署のブラックっぷりの自慢である。
「最近〇〇プロジェクトの進捗が悪くて午前様でさ~」
とかいうやつ。
いかに自分が夜遅くまで働いているかを競う。
仕事できないの?
②①から派生する不健康自慢。
「健康診断で肝機能で精密検査指摘受けちゃってさ~」
とかいうやつ。
死ぬよ?
③鬼嫁自慢
「うちおこずかい制だからさ~。お前は自由に金使えていいよな」
「嫁が怒るから土日外出できないんだよ~」
「俺が死んだら住宅ローン返せるし嫁が喜ぶんだよな~」
そんな嫁別れれば?
切りがないのでもうやめる。
入社数年目に僕が見限った時点では、まだ彼女トークとか合コントークとか面白い話題もあった。
大半の人間が結婚し落ち着いた今、完全に職場の話以外に盛り上がれる話がなくなっていた。
せっかく職場から離れているのにも関わらず、結局仕事の話をしてしまうのだろう。
僕はもっと結婚した彼の奥さんとの馴れ初めとか、産まれたばかりの娘さんの話を聞きたかったのに。
自分が左遷された身であることを引き算しても、
あまりに実のない話ばかりで途中からハナクソをほじりながら居酒屋の自家製ラーメンをすすっていた。
ちなみに「忙しいから行けたら行く」と2時間遅れで来た同期が一番熱く語っていた。
予想を上回るクオリティの飲み会だったけれど、一つ改めてわかったのが収穫であった。
飲み会で会社の話しかできない人間に魅力はない
考えれば当たり前のことだけれど、非常に大切なこと。
赤提灯で悪口を言っている本人たちは楽しいのかもしれないけれど、何も得るものはない。
100%不毛な話なのだ。
恐ろしいことに、先ほど上げた話題は40歳になろうと50歳になろうと延々と同じ話をしている。
今後10年も20年も同じ話題しかできないってゾッとしないか?
一歩進めて、そもそも赤提灯(※)に行かないという意識を持つことが大事なのかもしれない。
※平日夜に会社帰りに安い居酒屋で催される主旨のない飲み会
この日、家に帰ってから一人で飲み直したことは言うまでもない。
酔いながら書いたので、少し棘があったかもしれないけど、今日はこの辺で。