だいぶ前にKindleストアのセールで購入してから読まずに放置していた、神田昌典氏の『非常識な成功法則』という本を読んでいる。
D・カーネギーやスティーヴン・R・コヴィーなど正統派の自己啓発書信者の自分からすると、このタイトルからしていかにも胡散臭くて敬遠してたのだが、読んでみるとこれがまたなかなか面白く、参考になる記述が多々あった。
本書は、タイトルにあるとおり、いわゆる常識的(一般的)な成功法則を否定し、われわれのような凡人が成功者になるための非常識な成功法則を示してくれる。
たとえば、「謙虚でなければならない」「お金で幸せは買えない」「人との出会いが大切」等の多くの成功者が述べる成功法則は、既に成功した人間が、傲慢になったり天狗になったりすることなく、自らを律し、さらに成長するための法則だと言い放つ。そう言われると、やけに説得力がある。たしかに、謙虚で人との出会いを大切にしている落伍者・貧乏人(失礼)は山ほど思い当たる。
神田氏曰く、だから凡人は、まずはこうした心の問題と切り離し、先に金持ちになることを勧めている。心を鍛えるのはそれからでいいのだと。なるほど。
具体論として、紙に目標を書く(「やりたくないことを書き出す」という手法は秀逸)、カセットテープ(現代ではオーディオブックに読み替えたらいい)で勉強する、殿様バッタのセールス(気に入らないお客を断る)など、共感できるものがあった一方で、潜在意識(マーフィーの法則)やフォトリーディングなど、今のところあまり好意的なイメージがないものも紹介されていた。
まあ、自己啓発書なんて自分が共感できるところだけ都合よく取り入れたらいいんだし。
統計を取ったわけではないのだが、自らのビジネスモデルの作成に成功した経営者方は、『金持ち父さん貧乏父さん』や『ユダヤ人大富豪の教え』と並び、本書を愛読書として挙げていることをよく目にするので、まずは1項目からでいいので、本書で紹介されている習慣を実践してみてはどうだろう。
まあ、この手の書籍の著者にありがちなのだが、1,500円程度で買える書籍(=本書)はあくまでも入門書としての位置づけで、本当は自身の高額のセミナーに誘導するのが目的であることが多い。
実際、神田昌典氏の公式サイトを見ると、様々な宣伝がところ狭しと並んでいる。
神田昌典の「2022」全国横断公演ツアーは、顧客コミュニティを創る新技術を語るというもの。2時間の講演で7,700円。これはまあまあだろう。ただ書籍の5倍以上の金額だ。
経営者のためのオーディオ学習プログラム「ビジネス生録神田M.B.A」は初月500円だが、翌月以降は毎月5,000円かかる。
そして、様々なイベント参加や特典を受けられるVIP会員的なメンバー「THE実践会」については、入会金30万+月額1万がかかる。
これを高いと見るか安いと見るかなのだが、これらに継続課金するよりは、やはり1,500円~2,000円で買える他の自己啓発書やビジネス書を読んだほうがコスパがいいように思えてしまう。
やっぱり、こういう自分で値段を決められる情報商材って割高感を否定できないような・・。
基本的に僕は書籍以外は購入すべきではないというスタンスでいるので、この本(『非常識な成功法則』)だけ読んでおけばいいと思う。
alonewolf-memorandum.hatenablog.com
おしまい