一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

仕事の悩みを半減させる方法

今日は『道は開ける』より、仕事の悩みを半減させる方法を取り上げる。

以前にも悩みを解決するための公式悩みの分析&解消法というものをご紹介してきたが、これらは自身が経営する会社の倒産の危機だったり、生命を脅かす事態など、かなり緊急の場合が多く、「覚悟」や「決断」というものが必要とされたが、今回はわれわれの日常の仕事への応用が可能だ。

サラリーマンをやっていると、給料をもらっているので仕方ないとはいえ、日々ストレスまみれの生活を送っている人も多いだろう。そんな毎日のストレスを減少させるために、役立つ方法を以下に挙げる。

これは、レオン・シムキンという、長い間ニューヨークのロックフェラー・センターにあるサイモン&シュスターという一流出版社の総支配人だった人物が考案したものである。

 

第一問──問題点は何か?

第二問──問題の原因は何か?

第三問──いくとおりの解決策があって、それらはどんなものか?

第四問──望ましい解決案はどれか?

 

同社では、彼に相談がある人はすべて、上記4項目について問いと答えを用意し、あらかじめ提出しておかなければならないというルールを設けた。

すると、彼の勤務時間の約半分を占めていた会議や打ち合わせの時間が、従来の3分の1になったという。

 

米国の生命保険外交員で『私はどうして販売外交に成功したか』有名なフランク・ベドガーも似たような方法で仕事上の悩みを解消した。このエピソードがわかりやすいので引用しておこう。彼が、自分の仕事に愛想を尽かし、転業しようかと考えた時のエピソードである。

 

第一問──問題点は何か?

保険業界に飛び込んだばかりの頃に抱いていた情熱がなくなり、自分の仕事に愛想を尽かしている。

 

第二問──問題の原因は何か?

足を棒のようにして歩きまわっているのに、収入がそれに伴わないということ。自分でも話を進めていく段階では手際よくやっていると思うが、契約を取りつけるまでには至らない。

 

第三問──いくとおりの解決策があって、それらはどんなものか?

解決策を出すためにはもっと事実を知る必要があると考えた。彼は過去一年間の記録を取り出して、その数字を追った。そこに示されていたのは、契約のうちの7割は初対面のお客と成立させたという事実で、2回目に会って成約にこぎつけたものは23パーセントだった。3回、4回、5回と彼が神経をすりつぶし、時間をかけたあげくに成約へとこぎつけたものは、たったの7パーセントにすぎなかった。言い換えると、成約のうちわずか7パーセントを占めるにすぎない仕事のために、勤務時間の大半を無駄使いしていたわけだった。

 

第四問──望ましい解決案はどれか?

解決案は明らか。すぐさま、訪問は2回までとすることにして、浮いた時間を新しいお客をつかむために使った。その結果は、予想をはるかに越えたものだった。ほどなくして、彼の顧客訪問一回当たりの成約金額は倍増した。

 

思うに、あれこれと頭の中で考えることはせず、このようにして紙に書き出すだけでも悩みは大きく減退させることができる。

僕は同じ営業の仕事でも、ルート営業なのでフランク・ベドガーほど厳しい精神状態に置かれることは少ないが、それでもモチベーションが下がって嫌になることはよくある。

そこで、同じような方法で顧客対応の方法を考えることにした。 

 

第一問。問題点は、仕事のモチベーションが上がらないこと。

第二問。問題の原因は明らかで、毎日業務用携帯電話に朝から晩まで(ひどい時には土日も)電話をかけてくるクレーマーに精神をすり減らしていること。

第三問。考えうる解決策は、今までどおり対応する、関係を切る、自分が退職するなど。

第四問。望ましい解決案について。全売上の1%にも満たないこの顧客に相当な時間と半分以上の気力を使うのは費用対効果が悪すぎるという結論に至った。ただ、無視して本社のコールセンターに苦情を入れられたりしたら困る(事実、やりかねない)。結論、電話にすぐ出ない。コンタクトを極力控える。すると、他社商品への切り替えを検討したようだ。電話の本数がどんどん減っていった。

  

悩みを分析する基礎技術②
<仕事の悩みを半減させる方法>
◉一、問題点は何か?
◉二、問題の原因は何か?
◉三、いくとおりの解決策があって、それらはどんなものか?
◉四、望ましい解決策はどれか?
 
道は開ける 新装版

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 おしまい