今日もD・カーネギー『道は開ける』を勝手に復習するシリーズ。
今回も引き続き、PART7「疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法」から。
4章目のタイトルは「疲労と悩みを予防する四つの習慣」と題し、疲労と悩みを防ぐための仕事中の習慣について紹介されている。
挙げられている4つの習慣は以下のとおり。
1.勤務中の習慣その一:当面の問題に関係のある書類以外は全部机上から片づけよう。
書類の散らばっている自分の汚い机を見てうんざりした経験はないだろうか。先日の会議の資料とか、上司から目を通しておいてと回覧された書類などが、日々積み重なっていった結果である。自分としては、「いつでも見れるようにしておく」という保険をかけたつもりだが、99%見ることはないので捨ててしまって構わない。万一その資料が必要になったら、後輩にでもコピーさせてもらえばいいのだ。
2.勤務中の習慣その二:重要性に応じて物事を処理すること。
重要性の高いものから処理していくという非常に重要な内容だが、さすがにサラッと書かれすぎているので、『7つの習慣』とか読んだ方が良さそう。充実した人生を送るには、効率性だけを求めるのではなく、「緊急ではない」が「重要」なことにいかに時間を割けるかが肝になってくる。
3.勤務中の習慣その三:問題に直面した時、決断に必要な事実を握っているのだったら、即刻その場で解決すること。決断を延期してはならない。
何事も即断即決。会社の会議しかり、あなたの人生の岐路しかり。
本書の序盤で問題を3段階に分けて分析することを学んだ。3段階とは、①事実の把握②事実の分析③決断・実行である。事実の把握と事実の分析を慎重に行ったのであれば、考え直したりせずに迷わず決断・実行あるのみである。
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4.勤務中の習慣その四:組織化、代理化、管理化することを学ぼう。
これは僕も苦手だから何とも言えないんだけど、なまじ仕事が軌道に乗ってきた時に、部下・後輩に仕事をうまく代行させることを知らないと、際限なく仕事が増えて詰む。なかなかさじ加減が難しいのではあるが・・。
さて、今日のようなテーマは、さすがに近年出版されている「仕事術」に特化したビジネス書を読んだ方が得るものが大きいだろう。
ただ、注目すべきはまだ「自己啓発」という言葉もない1944年の出版当時にこのような内容に一章を割いているということだ。
同じくD・カーネギーが書いた『人を動かす』と並んで自己啓発書の原典と言われているのもうなずける話である。
最近の自己啓発書・ビジネス書はマンガ版も出ていたりして非常にわかりやすくなっているが、ほとんどが『人を動かす』『道は開ける』『7つの習慣』などからエッセンスだけかいつまんで、薄く伸ばしたような内容である。入門書としてそうした本を読むのはかまわないが、最終的には「原典」に当たったほうがいい。ロングセラーというのは、それだけ多くの人に評価されてきた証でもあり、時の洗礼も受け内容の信頼性が高いとも言えるからだ。誰にとっても有用かと聞かれると正直わからないが、多くのビジネスパーソンが触れている作品であり、一つの教養として、その内容を知っておいて損はない。また、こういった良質と言われるビジネス書をいくつか知っておけば、これから出合う本の良し悪しを判断できる「選択眼」も養うことができるだろう。
おしまい