一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

【書評】シン・サラリーマン(サラタメ)

またキャリア関連の本をご紹介。

 

シン・サラリーマン

★★★★☆

真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン――名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法

 

本書は、登録者70万人超え(2023年7月現在)のサラリーマンYouTuberサラタメさんが、人生100年時代を生きる全サラリーマンのために書き上げた攻略本で、ページ数はなんと圧巻の600ページ超。

 

【目次 概要】
――STEP[0] 「大原則」
――STEP[1]-1「リーマン力(仕事術)」
――STEP[1]-2「リーマン力(転職術)」
――STEP[2] 「副業力」
――STEP[3] 「マネー力」
――巻末プレミアム「超厳選30冊」

 

本書は、人生100年時代の実情に合わせ、出世ではなく転職を見すえた「リーマン力」、自身のスモールビジネスでお金を産む「副業力」、貯めたお金を守り抜く「マネー力」の「3つの武器」に特化した内容になっている。

食品メーカーの営業マンのマモルさん(27歳)とサラタメさんの対話形式なので、ボリュームの割にサクサク読めるはずだ。

読み方としては、個人個人いま自分が置かれている状況や今後やりたいことが異なると思うので、著者の書いているとおり、目次をざっと眺めて、今の自分に深く関わるページを探して集中的に読むという使い方でよいと思う。私は、もちろん転職力(STEP1-2)部分を熟読した。

転職力の部分は、分量にして全体の約4分の1あり、YouTubeでもメインで発信されている部分なので、ここが肝になる部分なのだと思う。


www.youtube.com

なお、YouTubeで見たことがある内容がほとんどなので、既にサラタメ氏の動画を見たことがあり、目新しい情報が欲しいという人には物足りない内容になるかもしれないが、一連の転職活動のマニュアルとして持っていて損はないと思う。

 

転職〝活動〟は全員がすべき

「転職〝活動〟」と「転職」は大きく異なると著者は言う。「転職〝活動〟」は、今いる会社よりよい条件で雇ってくれる会社を探す行為。結果的に、別の会社から内定をもらい、実際に勤務先を変えるのが「転職」。

サラタメ氏は「転職〝活動〟」自体は、「キャリアの健康診断」のようなものなので、たとえ今の職場に大きな不満がなくても、定期的(3〜4年に1回)は検討してみるべきと主張する。

多分、一度活動を始めちゃうと、私のように転職意欲が高まる人が多いでしょう(笑)。

 

企業側は「再現性」と「継続性」の2点だけを見て、採用するかどうか決めている

ここ、転職活動のポイントだと思う。

新卒採用と異なり中途採用は「即戦力」を求めているはずなので、前職でのスキル・経験をその企業でも活かせるかどうかはかなり重要な評価基準であることは間違いない。

また、たとえば転職エージェントを使うと、その人の年収の3割の手数料を企業はエージェントに支払うことになっているので、年収1000万円であれば手数料は300万円。それだけの経費をかけていてすぐ辞められたら困るというのは、企業側とすれば切実な本音であろう。

この2点について、企業を説得できる理由を考えないといけない。

 

後半のマネー力のところでも堅実に貯めたお金を減らさずに守る視点が好印象で、「家は買わずに借りる」とか「投資初心者はインデックスファンドを購入」とか共感できる部分が多かった。ただ、この辺りはやや薄い印象もあるので、興味があればさらに他の本で深掘りしていくといいだろう。

読者の層としては20代後半〜30代前半くらいまでの少し仕事が軌道に乗って、転職を考え始めたくらいの若手サラリーマンに一番しっくりくる内容になっていると思う。

 

おしまい