今日は僕が日常的に実践している極めてシンプルなメンタルマネジメント法をお伝えしたいと思います。
それは、「何事にも期待しない」というものです。「期待の基準値を下げる」と言い換えてもいいかもしれません。
負の感情の代表として、怒りと悲しみがあります。
以前、あなたにこの2つの感情が芽生えた場面を思い出してみてください。
怒りも悲しみも、あなたの期待と現実との間にギャップがあった時に生じたものではなかったでしょうか?
物事や他人が、思い通りになればいいと願うこと。「期待」とはそんな気持ちです。まず、望む結果があって、それを期待することで、そこに「基準」ができあがります。
そして、もたらされた結果がその基準を満たさない場合、われわれは怒りや悲しみという負の感情を抱くことになるのです。
であれば、期待さえしなければ、基準は最低(=基準がない)なので、少しでも結果が良ければ満足できます。
つまり、期待しなければ、どう転んでも儲けものということになるのです。
ほんの小さなラッキーでも、想定外のできごとなら十分に満足できます。
こうした消極的な思考をベースに生きるのは、性悪説的なつまらない生き方だと批判される方も多いかと思います。
でも、結局、僕たちは皆、他人に期待せず、依存せず、誰の評価も気にせずに、淡々と目の前の一日をこなしていくしかないんだと思います。
考えてみれば、自分だって自分が満足するために生きているのだから、他人も自分が満足するために生きている、こう考えるのが当たり前でしょう。
だから、自分の思った通りに他人が動いてくれることはまずないと思った方がいいし、それに対する対処法もない。
他人に期待することは無意味、というか不可能なのです。
このように考えると、他人に期待しないということは、僕がいつも主張している自責マインドの裏返しとも言えますね。
かく言う僕も、20代前半までは、怒りと悲しみに溢れた人生でした。
自分が他人や会社に尽くそうと思っていたから、当然見返りを求めたりしていたんですね。
でも、そんなの無駄無駄。期待なんて裏切られて当たり前です。
だったら、最初から期待しない方がはるかに精神衛生上よいということが、自然とわかってきたんですね。
思い通りの人生を歩むことは、なかなか許されないものです。「どうしてこんなことになったのか・・」と深く落ち込んでしまったことも、これまでの人生で一回や二回では済まないでしょう。
それでも、最悪の結果を予期していれば、そのとおりになれば「ああ、やっぱりな」と受け入れることができるし、それより少しでもいい結果であれば「お、ラッキーだったな」と嬉しい気持ちになれる。
期待しなければ、怒る必要もなく、悲しみに暮れることもない、しかも使用料は無料。最高にコスパのいい思考法なのです。
おしまい